こ、これが電波ソングという奴か。
頭の中を擬音フレーズがリフレインして離れない。
“♪ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー!”
「撲殺天使ドクロちゃん」(2005-2006年/水島努監督)
草壁桜、中学2年。恋心を抱いている幼馴染の水上静希と仲良く下校。
「宿題で分からない事とかあったら電話していい?」「…うん」なんて会話を顔赤らめながらして帰宅。
自室に入るとお着替え中(パンツ1枚)の美少女が…。
『いやぁあ!』
突如、少女は特殊金属製トゲトゲバットをフルスイング!
頭を水平に割られて脳しょう撒き散らした後、間欠泉のような血柱を吹き上げて絶命する桜くん(写真2枚目)。
『ああ、ごめんなさい! ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー!』
ドゲドゲバット(正式名称:エスカリボルグ)をバトンのように振り回しながら少女が擬音を唱えると、桜くん元通り。
『もう! ドクロちゃんったら! 撲殺はしないって今朝約束したばかりだろ!』
美少女の名前はドクロちゃん。未来からやってきた(机の引き出しから出てきたらしい)天使。確かに頭の上に輪っかが浮いています。
天真爛漫なドクロちゃんは、感情が高ぶるとエスカリボルグで相手(主に桜くん)を撲殺する悪い癖が…。
スプラッター・ラブコメとでも言うのでしょうか。日々是惨劇な毎日を送るドクロと桜と愉快な仲間たちの物語です。
普通はドクロと桜の出会いと恋と同居のいきさつから入るものですが、そんな説明面倒だとばかりに撲殺=日常というシュールな展開。
突然、明日から桜くんと同じ学校(聖ゲルニカ学園)に行く、と言い出したドクロちゃん。
編入手続きなんか知った事かとばかりに転校生紹介。お世話係の学級委員長をお猿に変え、みんなの前で桜くん撲殺。天使の正体もバレ…たのに全員リアクション無し。
校内には天使がもうひとり。ドクロ同様、未来の世界から桜くんを拉致り殺すためにやってきたサバトちゃんが。
何故、桜くんは天使に命を狙われるのか?
それは、桜君が神の理に背いたから。
桜くんは近い将来、全女性幼児体型化(女性の外見を12歳で止めてしまう)に成功し、その副作用として不老不死を実現してしまう…らしい。
命を司るのは神の領域。バベルの塔を築いた桜くんは天使によって抹殺されることになったのです。
本来なら、ドクロちゃんのミッションも桜くん抹殺だったのですが、ドクロちゃんは桜くんを殺さずに未来を変える方法を選択。
ここで「毎日撲殺してるじゃねーか!」という突っ込みは無し(笑)。
ドクロちゃんの代わりに送られてきた刺客がサバトちゃんというわけです。
未来で“エライこっちゃ”な事態を引き起こす人間を過去に遡って抹殺しようとする者と守ろうとする者が戦う…はて、どこかで似たような設定のドラマを観たような…。
ここにドクロちゃん更迭のためやってきたドクロちゃんの妹・ザクロちゃんが乱入して事態は更に混沌の深みへ…。
OVAは1期全8話、2期4話。と言っても2話で25分という構成なので、1期2期通しても150分。
余裕でDVD1枚に収まる分量ですが、DVD-BOXは再オーサリングせず、6枚組で発売。
なあおい、これじゃ売れ残った単品の在庫処分ってバレバレだぞ。25分毎に単品売り(しかも単価5000円超え)という商売も如何なものかとは思いますが。
まあ、単品買い揃えると35,000円近くしていたものが7,000円強で買えると思えば超お買い得か(資本主義の奴隷だな、俺は)。