まさかの流子vsマコに泣け! キルラキル♯7
「また、ひとりの食事に戻ってしまったな、流子」
前回、マコの出番の少なさを嘆きましたが、今回は出ずっぱり。ただし、こちらの予想(予定調和的期待)を余裕で打ち砕く変化球。
まさかここで“豊かさとは何か”という問題を突きつけられようとは…。
「キルラキル/第7話・憎みきれないろくでなし」(2013年11月16日放送/立川譲演出)
何だか分からない食材をとにかく細かく刻んでジャガイモに混ぜて揚げる謎のコロッケを奪い合う満艦飾家の食卓。
活力溢るる“家族”の一員となる事にささやかな幸福を感じる流子。
「賑やかな食事っていいもんだなぁ」
一方、本能寺学園では泡沫部活(投げナイフ部、南京玉すだれ部、綱渡り部…)の部長が流子を次々襲撃(そして瞬殺)。
業を煮やした流子は“喧嘩部”を旗揚げ。何とこの申請を鬼龍院皐月が了承。マコを部長に立ち上げた喧嘩部は次々と弱小部活に道場破りを敢行して連戦連勝。
※個人的にはフォークダンス部部長・御蔵浜舞夢(オクラホママイム)がツボでした。
本能寺学園は部活の功績が生活水準に直結するウルトラヒエラルヒー社会。
喧嘩部の成果(流子の道場破りとマコの完璧な部長仕事)があがるにつれ、満艦飾家の暮らしぶりもエスカレーター式に急上昇。
初めのうちは“本当の肉”が入っているコロッケを涙ながらに食べる、という微笑ましい光景でしたが、やがて多すぎる富は一家の心を蝕み…。
もはや家族が同じ食卓につくこともなく、皆バラバラ。あのマコまでが今までとは別人。
「なあ流子、我々は本当に勝っているのか?」
意を決した流子は四天王直接対決を前にして退部届けを提出。戸惑うマコに皐月が差し出したもの、それは、
喧嘩部特化型二つ星極制服。
「今の地位と暮らしを守りたければ纏と戦い、そして倒せ!」
常に天真爛漫で真っ直ぐなキャラだったマコにもダークサイドがあった。せっかく掴んだ優雅な暮らし。スラムに帰るのは嫌だ。
「だって、やっと掴んだ贅沢だもん! もう貧乏には戻れないもん!」
「どうだ纏、これが人間だ! 成功は欲望を生み、欲望は破滅を呼ぶ。一度快楽を知れば、もう抜けられん。私の作った学園の虜になる。奴らこそ服を着た豚、力で屈服させるしかない豚なのだ!」
有体と言えば有体な話なのですが、マコというキャラのギャップを最大限利用している事、前半と後半の対比が絶妙という語り口の巧さで味わい深いエピになりました。
勢いだけで走るのかと思いきや、急緩取り混ぜた変化球を混ぜてくるあたり流石、中島かずきです。
次回の主役は蟇郡 苛。三樹克彦「俺の涙は俺が拭く」。