『一殺多生。浮かばれぬ哀れなひとたちを成仏させるためなら、あたしは喜んで地獄に落ちます』
なりふり構わぬパクリ攻勢で必殺シリーズを追い込んだ影同心ですが、2作で幕となってしまいました(やはり殺しの行動原理が義憤って所に無理があったような気がします)。
結構好きな作品だったのでちょっと残念。
「影同心Ⅱ/第1話・影の裁きは菊一輪」
(1975年10月18日放送/工藤栄一監督)
主役は前作の南町奉行スチャラカ同心トリオから、寺社奉行同心・堀田源八郎(黒沢年男)、尼僧・香月尼(浜木綿子)、寺男・留吉(水谷豊)、牢番・平七(山城新伍)という賑やかな顔ぶれに。
寺社方ゆえに町方の事件に手を出せないという葛藤は新機軸かもしれません。
社会通念のネジが適度に緩んでいる駄目な大人の集まりというのはお約束。
源八郎は情婦(片桐夕子)囲って、香月尼から借金しまくり(返す気無し)。
香月尼は財政難の寺を支えるため、寺内で賭場開帳(仕切りは留吉)。
フリーダムです(笑)。
ナレーションは前作に続いて芥川隆行で必殺パクリ路線は依然健在。唯一毛色の違いを見出すとしたら渡辺岳夫による音楽でしょう。
この人のバイオグラフィーを眺めてみると「巨人の星」「アタックNo.1」「キューティーハニー」「非情のライセンス」「緊急指令10-4-10-10」「緋牡丹博徒」など多岐多数。
場面を“盛り上げる”曲作りに関しては筋金入りと言って良いと思います。
必殺の平尾昌晃も素晴らしいですが、ナベタケさんの音楽も負けず劣らずです。
いっそ本作もジャ●ーズでリメイ…すみません、何でもありません。