
『アニメーションってのはテンプレの代名詞か?! 違うだろ! 命を吹き込むって事だろ!』
『だから…描くの監督じゃねえし!』
映画でも漫画でもアニメでも“無から有を生み出す第一次産業に携わる愉悦”というものがあると思います。
これは水島努版「蒲田行進曲」(あるいは「スタントマン」もしくはその後の「げんしけん」)。
「SHIROBAKO/第1-3話」(毎週木曜TOKYO MX他放送/水島努監督)
いつか必ず、このメンバーでアニメ作品を作ると誓った山上高校アニメーション同好会の5名。

そのひとり、宮森あおいは武蔵野アニメーションの制作進行に。
武蔵野アニメーションは7年ぶりに元請となったテレビアニメ「えくそだす」の製作で全社鉄火場。
第1話の放送が開始され、後戻りは勿論、待ったを掛けることもできない地獄のワンクールがスタート!
予測可能だが回避不能なトラブルが次から次に。実話+体験談なんでしょうねえ、水島監督の。

序盤最大の難関は、えくそだす第3話アフレコ終了後のリテイク指示。
『マジすか監督!? 崩れた動画より綺麗な止め画ですよ! これじゃ納品間に合いませんよ!』
アニメの現場は知りませんが“納期”という言葉の重さは知っています。
監督と演出家の衝突…あるんでしょうね。この横で飄々と自分の仕事を確認する音楽監督ナイスです。

あおいの提案で関係者が集められ、改めてキャラの設定確認会議が。
右に左に脱線しつつ、作品への想いを語る中、性格が掘り下げられ、単なる記号だった登場人物が全員の共通認識としてのキャラクターとして降臨する様は感動的でした。
全体として文句は無い、むしろ「流石水島&横手」なのですが、あおいの同僚、タローの存在がわたし的にはちょっと…。
こういう、できもしない事を出来ます出来ますと安請け合いし、出来ていない事をギリギリまで隠蔽し、どうにもならなくなって初めて報告して会社全体に迷惑をかけた挙句にビタ一文反省せず、どうにかしたのは自分じゃないのに、さも自分がどうにかしたかのようなドヤ顔をする人間ってのが、割と身近に(過去・現在含め複数)いるので、冷静に観る事ができないのですよ。

正直、またタローを観なければならないと思うだけで継続視聴を断念せざるを得ないくらい不快です(実際見るのやめました。記憶から抹消)。
水島監督は「タローは若い頃の私」とか言っているようなので、あまり強くは責められませんが、出来る事ならささらもさらにしてやりたいキャラではあります。