
「帰ろう、ヒデ」
帰る? どこに? 勿論、あの日に。
東京喰種二期終了。部分的に良かったと思える所も多々ありましたが、総括すれば『全方位消化不良』なシリーズでした。
「東京喰種√A/第11話・溢花、第12話・研」(森田修平監督)
ジューゾーを守るため盾となって梟の直撃を喰らった篠原。初めて自分を庇護してくれた存在を目の当たりにして人間らしい感情を取り戻すジューゾー。

そして、亜門との一騎打ちを制してあんてぃくに辿りついたカネキは遂にヒデと邂逅。

折れた足を引きずりながら梟に食い下がるジューゾー、離れていながら亜門の危機を感じ取るアキラ、疲れきったカネキのためにコーヒーを淹れてやるヒデ。
カネキの目に映る在りし日の平和な光景。
「あんまりひとりで背負いすぎんなよ」
足元に血溜まりを作りながらカネキを気遣うヒデ。

ヒデの骸を抱きかかえCCG本部に向かうカネキ。

1期OPフルコーラス使って延々歩くシーンを引っ張る演出は賛否あるでしょうが、良かったと思います。

炎に包まれるあんてぃくを前に茫然自失のトーカ。君、3週間ずっと走ってたのか。どんだけ遠い所から来たんだよ。
カネキを待ち受けるCCGの死神・有馬貴将。その戦いのゴングが鳴る瞬間に幕。
エピローグとして大人になったトーカが喫茶店を営んでいる光景が。店の名前は「:re」。

まあ、なんとなく綺麗に納まったように見えなくも無いですが、やはり全体的によく分からない描写が多すぎますね。
カネキがアオギリに入った理由・意味(カネキ本人が強くなるためと言っているが、何故アオギリに入ると強くなれるのか。みんなを守るためと言いつつ一般人を殺戮していることに手を貸している矛盾)。アオギリメンバーとカネキの交流が全く描かれなかったのも不満。
鯱とは結局何だったのか。シロとクロは何がしたかったのか。梟討伐作戦にトーカがどう関わるのか、に注目していたのに3週間走り続けただけでお話に全く絡まないってどうよ。
カネキは急いであんてぃくに、とか言っているくせにのんびりと西尾先輩と語らって高みの見物。結局、店長は助けられず。
で、気になるのが、原作者・石田スイが書き下ろしたネームがあらかた無視されていたという噂。
確かに特報CMで一部公開されたネーム(&コンテ)は全く本編で使われていません。

ジューゾー対月山とか、13’sジェイソンの正体を知るナキ、なんてシーンもあったんですね。観たかったなあ。
どれだけの量のネームを原作者が起こしていたのか分かりませんが、全部見てみたいです。是非、EDイラストと抱き合わせで出版してください。
3期よりもOVAよりもまずはそれが見たいです。