寝たきりの患者が遠隔悪さ、と言うと『ザ・センダー』『メデューサ・タッチ』『クラッシュ!』(自動車事故マニアの話でも人種差別の群像劇でもなくて、DV夫にボコられた妻が念力で愛車カマロを爆走させる話)辺りを思い出しますが、これもその系譜。
「パトリック/戦慄病棟」(2013年/マーク・ハートリー監督)
78年のオーストラリア映画のリメイクです。
昏睡状態の患者ばかりを集めた病院に赴任してきた看護師キャシー(シャーニ・ヴィンソン)。
彼女はひとり個室をあてがわれている謎の患者、パトリックに興味を抱きますが…。
ほとんど瞬きをしない目。時折唾を吐く以外は何の反応も無し。しかし…。
疑念。実はパトリックには意識があるんじゃないか、全部分かっていて成すがままに治療を受けているのではないか。
やがて、パトリックの意識が惨劇を…って、まあ大体予想通りの話が何のヒネリもなく展開していきます。
オリジナルの公開当時はさておき、今、この手のモノをケレン味無しで作られても、ただ地味なだけで、面白がりようが…。
パトリックの行動原理にもう少し闇なり哲学なりがあれば良いのですが、結局お子ちゃまの駄々(肥大した独占欲)ってところがどうも…。
折角のテレキネシスなんだからろ、もっと志を大きくもとうぜ(『メデューサ・タッチ』のリチャード・バートンを見習え!)。