うっかりHR/HMが好きなどと口走って、ジャズとかに詳しそうなインテリゲンチャから“可哀想な子”を見るような目つきをされた事、ありませんか?
いい歳こいてハード・ロック? ヘヴィ・メタル? 大丈夫かお前?と言うわけです。
確かに偏差値貧乏な音楽かもしれません(認めてどーする?)。しかし、だからこそ理屈の入り込む余地の無い一発の“音”が際立つ世界でもあります。
という訳で、今後折を見てクラシック・ロック、クラシック・メタルの名(迷)盤を並べていこうかと。記念すべき第1回はこちら。
『地獄への接吻 Dressed To Kill/キッス』
(1975年/カサブランカ・レコード)
キッスの3rdアルバムにして本邦デビュー作。
やっつけ感満載のジャケが素晴らしい(地味じゃない!)。スーツは借り物。ジーンはサイズが合わずにつんつるてん。
音もチープ。ランニングタイムが30分に満たない小さな作り。
でも、そんな事、どーだっていいじゃないですか。
ロック・アンセムである「Rock’n Roll All Nite」がトリを飾っていますが、私はOPの「Room Service」「Two Timer」がお気に入り。
A面を〆る「Rock Bottom」も名曲。裏を返してB面トップは日本でシングルカットもされた「激しい愛を(C'mon and Love Me)」。
キッスの歌は日常が滲み出ている(要するに酒と女とロックンロール)所が、等身大で好感が持てます。
1st、2ndと泣かず飛ばずでしたが、本作がデトロイトで大受け。地元ラジオがシングルカットされたわけでもない「激しい愛を(C'mon and Love Me)」を連日かけまくり熱狂を伝播。
この様子を知ったキッスは以降のツアーを全てキャンセルしてデトロイトへ。コボ・ホールで行った単独ライブは『地獄の狂獣/キッス・アライブ』となって大ヒット(全米9位)。
OPの「Deuce」は私的“ライブの1曲目ランキング”五指に入ります。
You Wanted the Best! You Got the Best!
The Hottest Band in the World, KISS!!