飲んで騒いでまぐわって、目が覚めたら大ピンチ…なシチュエーション・スリラーなのですが、スペイン産の割にはマイルドで底が浅い。
「スラッシャーパーティー」(2012年/ミゲル・ララヤ監督)
カルロス(ルイス・フェルナンデス)はTVの連続ホラー(スクリームみたいな感じ)の主役。イケメンなのでモテモテ。ハリウッド行きも決まって人生イケイケ。
彼が招かれたとある豪邸の乱痴気大パーティ。勿論モテモテでハメハメ。
いい汗かいて一眠り。気がつけば午前3時。あれだけいた客は綺麗に消え去って女と二人。何故か窓にはシャッター、外に通じるドアは全てロック。携帯は紛失。
邸内に居残っていたのは女が2人と無断で侵入したらしい男が1人。合計5人。
部屋にあった誰のモノとも知れぬ携帯に送られてきたのは、女の友達の惨殺映像。この家にはもう一人、殺人鬼がいるらしい…。
得物が包丁なので、確かにスラッシャーではあるのですが、直接的な描写は一切無し。本格的なスラッシャー(もしくはスプラッター)を期待すると景気良く肩透かしを喰らいます。
しかも、勘のいい人なら事件のからくりが開始早々見抜けます(←結構致命傷)。
一応、ネタが割れたところからもうひと波乱あるのですが、であれば最初のネタバレはもっと早いタイミングでやっておかないと。
イケメンくんのキャラも犯人側の動機も掘り下げが滅茶苦茶浅い。
設定もいい加減なので、ネタが割れた後に疑問噴出(そもそもこのパーティは誰が企画した? 酒や食い物は誰が用意した? どうやって人を集め、どうやって全員を追い返した? イケメンくんが確実に会場に来ることが前提だが、じゃあ彼を誘った友人はグルだったのか?)。
79分というタイムは肩が凝らなくて良いのですが、もうちっと押さえる所押さえてもらわないと話に集中できません。
イケメンくんをもっと駄目駄目な性格にして、犯人側をもっとサイコにしたら、あちこちタガが外れて面白くなったかもしれません。