久しぶりに突っ込み甲斐のある低予算ホラーに出会いました。
つまらないと言うなかれ。これぞ初級突っ込み自己研鑽テキスト。
ビーチで一夜限りの大パーティ。
飲んで踊ってまぐわって。吐いて戻して陽が昇り…。
監視台で目覚めたケイリー(ブルック・バトラー)がビーチを眺めると、車に男女2人ずつ、ウッドテーブルに女1人、何故かドラム缶に嵌っているのが1人。そして、自分に添い寝していた男が1人。
他の皆は帰ったのかしら。
ウッドテーブルにいた女が車に近づこうとしてビーチに足を着けた瞬間、身動きがとれなくなって…。
助けに行こうと車から飛び降りた男もビーチから出た髪のように細い触手に刺されて吸われて砂の中。
ビーチの下に何かがいる…。
というプロットで出お分かりのように、本作は「血に飢えた白い砂浜(ブラッド・ビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじり)」の焼き直しです。
加えて「砂に触れると死ぬ」「車が動かない」「携帯は全員分集めてトランクの中」という籠城要素がちょっと「トレマーズ」っぽくもあります。
骨格だけは良くできているのですが肉付けが突っ込み観音大菩薩。
順を追って観ていきましょう(ネタバレあります。本作を観てハラハラドキドキしたい人は以下すっ飛ばしてください)。
まず冒頭のビーチパーティ。
参加者のひとりがビデオを回して主だったメンバーを映していきます。
てっきり全編POVで、撮っている奴が主人公なんだろうと思いましたが、夜が明けたら普通の神視点。撮ってた奴は素性も分からぬままフェイドアウト。勿論ビデオは小道具としても登場しません。
POVの意味ないじゃん!
せめて、残っていたビデオに何だかよく分からんけど阿鼻叫喚が映っていた、くらいの役には立ってくれないと。
すぐに2人死んで登場人物は6人に絞られるのですが、最初の犠牲者が殺される描写がありません。
「体が動かない。痛い。きゃあ~」という声はしたのですが、その後どうなったのか。
まあ喰われたんだろうなぁとは思いますが、最初の掴みを外してどうするよ。
で生存者6名。『チンコの落書き書かれた顔で死ぬのは嫌だぁ!』
その後、携帯を取り出すために地面に触れずにトランクを開けようとするコント(結局取り出せず)を挟んで、車のお兄ちゃんが『もう我慢の限界だ!』という分かりやすいフラグを立てて、車の外へ。
サーフボード2枚を繋げながら移動するというアイデアは悪くないですが、向かった先は最初の犠牲者の女が寝ていたウッドテーブル。
そこに行ってどうするんだ。助けが呼べない事に変わりはないし、車の上より危険だろ。
途中でボードが滑ってボードとテーブルの間で腕立て伏せをするというコント(この時、触手に腹を撫でられて腹部ズルズル)を挟んでたどり着きはしますが虫の息。
ちっと分かりにくいですが、お腹の辺りに触手くんが…。
ここに救世主ビーチパトロール参上。が、絵にかいたような使えないお馬鹿さんで「もうお前死んじゃえよ」というこちらの希望を汲み取ってあの世行き。
監視台にケイリーと一緒にいた男は手すりが壊れて砂浜ダイブ。
あんたの死は無駄にはしないとばかりにもげた左右の手すりを足場にしてビーチパトロールカーに移動…するのですが、何故かボンネットに乗って「やったやった」と大はしゃぎ。
いや、車って運転席に座らないと動かせないって知ってるよね。
これ⤴と似たようなシーンを以前どこかで…「世界崩壊の序曲」だ!
繊毛のようだった触手くんは巨大イカのような光るぶっとい触手に成長して襲ってきますが、何とかこれを退けて車の中へ(無傷の女2人と腹部ズルズルの男1人)。
「明日になればきっと誰か来るわ」って待て待て待て。
エンジン掛けろよ、キー着いたままだろ。何のために車から車へ移動したんだよ。
あと無線。ただの車じゃないんだから無線使えよ。
何やり遂げた感満開で長々と安堵のため息ついてんだよ。
翌朝、警官が通りかかって救出されるのですが(触手くんは巨大なイカクラゲになって別のビーチへ移動)、車から降りるのは女2人だけ。
男の方は振り返りもせず。
まあ、夜のうちに死んだんだろうとは思いますが、一応2人とも惚れた男なんだろ。涙こぼすシーンも別れの挨拶も無しってのは酷すぎねーか。
うまく撮れば「映画は予算じゃない。心意気とアイデアだぜ!」の見本になったものを。
やはり映画は脚本と演出とカメラアングルです。
新旧ポスター対決(右が「血に飢えた白い砂浜」)。
★ご参考
★おっともうひとつ、砂浜を泳ぐサメってのもいましたね。
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ようやく10万PV
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Hetenaに越してきて7か月半。ようやくPVが10万に届きました。
Yahooブログが閉鎖された時はどうしようかと思いましたが、何とかこちらでの暮らしにも慣れてまいりました。
無造作・無秩序な駄文にお付き合い頂き感謝です。
今後とも宜しくお願いいたします。