デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

御慶! スペース・トラッカー

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“♪ 俺達金星では幸運だった 火星じゃ毎晩パーティー

愉快な奴らと出会って 天の川も揺り動かした

俺達風の神と一緒に踊る 宇宙のトラック野郎

おいで! おいで! おいで! 宇宙のトラック野郎”


「宇宙のトラック野郎」by王様(原曲はSPACE TRUCKIN’by Deep Purple

 

御慶! 申年なのでサル絡みで一発とも思ったのですが、ピンとくるものがなかったので、正月らしくバカでクールで景気のいいこの作品で幕開けとします。

 

「スペース・トラッカー」
1996年/スチュアート・ゴードン監督)

 

ジョン(デニス・ホッパー)は、星から星へ荷物を運ぶ“宇宙のトラック野郎”。

 

火星からステーションに戻るやクライアントとひと悶着。闇ルートで謎の荷物を地球に届けることになったジョンですが、積荷は殺戮生体マシン5千体。


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前時代もののトラックを駆るジョンは輸送会社に属さない一匹狼。
 

地球の命運がデニス・ホッパーに委ねられているという時点で大馬鹿野郎です(笑)。

 

正に冒頭に掲げた「宇宙のトラック野郎」まんまな内容なのですが、バカ一色かと言うとさにあらず。

 

成り行きでジョンと組む事になった若造トラッカー、マイクにティーブン・ドーフが扮しているのですが、反体制な二人は後の「アメリカン・ウェイ」「セシル・B・シネマウォーズ」を思わせます。

 

そして何と言ってもジョンがそれと知らず運ぶことになる生体殺戮マシンBMWBio-Mechanic-Warriorのデザインが素晴らしい。


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中の人は女性だそうです。
 

デザインは空山基(「セクシーロボット」描いた人)、造型はスクリーミング・マッド・ジョージ。日本人コンビ(コンセプト・アートの韮沢靖を含めればトリオ)の力作です。

 

 

既に先達は出尽くした時代とは言え、そのシャープなボディは美麗流麗。


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スペース・サタンとターミネーターを足してエイリアンで割った感じ。
 

アーカイブされた状態でコンテナ収容された姿は精肉工場を思わせて不気味。

 

しかも、従来この手の造型物はいかにも“ロボット”な動き方をしていましたが、こいつは素早い。キレのいい後ろ回し蹴りとか繰り出しやがります。

 

特撮も結構金掛けて丁寧(但し、96年の最先端という感じは微塵も。作り手のお人柄って奴でしょうか…)。


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という訳で(どういう訳だ?)、本年も宜しくお願い申し上げます。


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