
どうも私はガムを噛む音というのが生理的に駄目なようです。
なので登場の間中(勿論台詞の合間も)くっちゃらくちゃらとガムを噛み続ける佐野史郎が不愉快千万で。
しかも、ラスボスのくせに成敗されないという幕引きにストレスマックス。監督は続編と言う根拠の無い夢を見ていたのかもしれませんが、もちっとカタルシスって事を考えて欲しいものです。
時代も場所も内容も異なる(完全にSF設定)のに、何故敢えて小池一夫の原作準拠な建て付けにしたのか。
梶芽衣子版と比べることに何の意味も無い(そもそも同じ土俵に立っていない)ので、まずは梶芽衣子版を忘れましょう。
全く別物と割り切って1本の映画として観ると…うん、やっぱり駄目だ(笑)。
まず、時代背景を意味も無く冗長で下手糞な日本語のテロップで済ませてしまう冒頭からして赤点。そこを映像で魅せるのが監督の腕だろう。
かつて歴史の裏舞台で暗躍した密殺集団・建御雷(たけみかづち)家一族。その群れに叛旗を翻した女暗殺者・雪(釈由美子)の逃避行…と書くと「カムイ外伝」っぽいですが、あんな寂寞感どこにもありません。
金と手間の掛かりそうな所を全部避けた四畳半自主映画です。
ただ、ドニー・イエン先生の指導によるアクションは絶品。

釈さんによると、ドニー先生の演技指導(駄目出し)は『More Energy!』だったそうで。熱いお人柄が偲ばれます。
時折挿入される未来都市の風景(特技監督:樋口真嗣)は浮きまくっていましたが、絵柄だけ単独で見ると中々の仕上がり。