
いやあ、実に久しぶりにこの一言を捧げます(よろしければご唱和ください)。
『うわあ、つまんねえ』
大抵は駄目の中にも光る一瞬とか届かないけど迸る愛情とか何かしらあるものですが、こいつはどうも…。
「アパートメント1303号室」(2012年/ミシェル・タヴェルナ監督)
2007年に及川中監督(「富江」撮った人)がアメリカ資本で作った「1303号室」(未見)のリメイクです。
見晴らし最高のアパートメントに引っ越したジャネットが数日後飛び降り自殺。
原因に心当たりのない姉ララが同じ部屋で生活を始めますが…。
家モノは器が命なのに、このアパート内装がやたら安普請。ボロならボロいなりの雰囲気の出し方ってものがあるでしょう。

「凄くいい物件なの。もう契約しちゃった」とか姉に報告している割には、荷物運び込まれた部屋に入る時のリアクションが明らかに初見。
いやいや、お前、ちゃんと内見したんだよな。なんだよ、その反応。
ワインの栓がうまく開けられなくて、コルクにオープナー挿したまま向かいの部屋にワイン抜きを借りに行ったのに、戻ってきたらオープナー外れてるし(グダグダの一人芝居)。
風呂場に幽霊さんがこんにちはした時は浴槽の中で向かい合っている、というシチュエーションなのに双方異なるアングルのアップのみで繋いでいるため、位置関係が滅茶苦茶。
二人が同時に収まっているアングルが無いって事は別撮りだったって事でしょうか。
幽霊さん(女)も物理的に掴んだり投げたりしちゃうのでほとんどモンスター。

後味悪いエンディングも含め『う~ん、君ら一体何がしたかったんだ?』と頭抱えること暫し。
古いアパート(団地)に越して来たら曰く因縁付きで大騒ぎ×日米対決、と言えば「仄暗い水の底から」とそのハリウッドリメイク「ダーク・ウォーター」を思い出しますが、足元にも及びません(「クロユリ団地」とはどっこいどっこいかも)。
ホラーとしてどうこうよりも映画として駄目駄目な1本でした。