デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

オーストラリアの自給自足生活。 キラーカーズ/パリを食べた車

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I Can Drive!

 

かつて老人を轢き殺してしまったために、運転恐怖症になってしまった男が車で若者押しつぶしてトラウマを克服する…簡単に言えばそんな話です。

 

「キラーカーズ/パリを食べた車」

1974年/ピーター・ウィアー監督)

 

「ピクニックatハンギングロック刑事ジョン・ブック/目撃者」のピーター・ウィアー監督の長編デビュー作。

 

タイトルだけ見ると「ザ・カー」とか「クリスティーン」みたいなものを連想しがちですが全然違います。

 

“旅人が田舎町でエライ目に遭う”フォーマットなので、どちらかと言えば「エィッカーマン」「アメリカン・ゴシック」「2000人の狂人」、新しいところでは「呪い村436」あたりと同じ箱になります。

 

ただし、ホラーではありません(その意味では「荒野の千鳥足」が近いかも)。

 

オーストラリアの田舎町パリ(フランスじゃねーのかよ!)。ここの町民(いや村民)は通りすがりの車を事故らせて身ぐるみ剥いで生計を立てておりました。

 

のどかな音楽と風光明媚な景色に囲まれて老若男女が「さあ、お仕事、お仕事」って感じで、車バラし、所持品チェックし、服も脱がせて、転売・換金・物々交換。


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丘には「フロム・ダスク・ティル・ドーン」裏手にも似た戦利品の数々が。
 

生き残っちゃった人がいた場合は頭にちょっと細工して精神病院へ。


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いやあ、田舎って本当にいいものですね。

 

主人公は、うっかり生き残っちゃったものの、パリの住人として受け入れられることになった男。ハイトーンな話し方が善良さと優柔不断さを良く表しています。


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クライマックスは改造車暴走の罪で市長(って言ってるけど村長だよな)に車を焼かれた暴走グループのお礼参り。


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アバンギャルドな改造車はポスターのキービジュアルにもなっており、マッドマックスな印象を与えてしまいますが、そういう映画ではありません。


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もはやアート。絶対前見えないと思います。
 

お世辞にもテンポがいいとは言えないので、退屈と紙一重なのですが、雰囲気は出ている(滅茶苦茶観る人を選ぶ)特殊映画です。


★ご参考 

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