デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

歌舞伎であり武侠であり。 怪竜大決戦

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武術、妖術、裏切り、復讐、恋愛、特撮、大変身。

 

娯楽の殿堂、時代劇。

 

「怪竜大決戦」1966年/山内鉄也監督)

 

お話のベースは歌舞伎や浄瑠璃でもお馴染みの児雷也

 

家老・結城大乗(天津敏)と大蛇丸(おろちまる。大友柳太郎)の謀反により城を奪われた尾形家。間一髪、脱出に成功した一子・雷丸(いかずちまる)は飛騨の蟇道人(がまどうじん。金子信雄)の下で修行に励み…。

 

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アース様か? ダイバ・ダッタか? 違う! 金子信雄だ!
 

成長した雷丸に松方弘樹(若い!目黒祐樹的アホっぽさ、あいや、あどけなさの残る好青年)。

 

兄弟子・大蛇丸に蟇道人を殺された雷丸は両親と師匠の仇を討つため、児雷也と名前を変え、尾張へ。

 

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このシーンは知っていたので、てっきりお笑い特撮なのかと思いきや…
 

しょぼい特撮に苦笑い…なんてリアクションを想定していたのですが、とんでもない。

 

ワイヤーワークがあったのか!と思うようなダイナミックな動き、精巧なミニチュア、手作りなのに隙の無い特撮、大胆な構図とカメラワーク、どれをとっても素晴らしい出来でした。

 

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何と大胆なローアングル!
 

何よりきっちりとした筋立て(ベースが古典ですからね)と脇にまで目配せした人物設定による脚本が見事。

 

本作の公開は12月。同年4月に大魔神が公開されているので、その影響下にあることは否めないですが、こちらには「大魔神」にはない楽しさがあります。

 

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左の構図は「大魔神」っぽい。城のミニチャアは瓦の崩れ方とか見事。
 

これは藤巻潤の生真面目さと松方弘樹の(悲壮感とは無縁な)アッパーさと言うキャラクターの違いによる所も大きいでしょう。

 

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この蝦蟇さんは翌年「仮面の忍者 赤影」に流用されました。
 

クライマックスの大蝦蟇vs怪竜vs大蜘蛛による城を壊しながらの大立ち回り(?)は日本特撮史に加えねばならない名シーンだと思います。

 
おまけ
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城の余興の踊り子さんたち。動きがキレッキレでした。


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