
駄目な予感しかしない作品にちょっとマトモな所があると期待値ギャップから評価が甘くなってしまいがちですが、これもそんな1本。
「ニンジャvsミュータント・ゾンビーズ」(2014年/リロイド・リー・バーネット監督)
もうタイトルからして(笑)。原題は「NINJA APOCALYPSE」ですが、どっちも大差ありません。
原因不明のゾンビ・パンデミックを武力制圧した世界大戦から数年後、生き残った4つのニンジャ組織…ってもうこの設定が…。
近々発生しそうな他部族との戦いに備えるため、ニンジャグループの頂点、フミタカ(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)から各組織に伝令が飛んだ。
集会だ、休戦協定だ、各チーム5人、武器は無し、今こそ団結を!
しかし、集会の最中、フミタカが凶弾に倒れ、殺ったのはチーム・ロストのケイジだ、という目撃者が。全員を敵に回したチーム・ロストは故郷の村にたどり着けるのか…。
って待て待て待て。ちょっと待て。それと似たような、いや全く同じ展開の映画を知っているぞ。

『今こそ団結だ!』『Can you dig it?』
ま、まあ、やりたかったものは仕方がありません。ボンクラ映画人は誰しも「タクシードライバー」「スカーフェイス」「ウォリアーズ」に一度は熱いリスペクトを捧げなければ気が済まない生き物なのです。

集会の会場となったのは元軍事施設であったと思われる地下要塞の20階。更に下にも(100階まで)施設は伸びていますが『20階より下に降りて生きて帰って来た者はいない』。
下層階で蠢いているのは…勿論ゾンビです。
要する映画版「バイオハザード」(1作目)のハイブを舞台に、ゾンビとニンジャ組織がソードアクション(火球や電撃の忍術含む)という、とっても中二な展開。

んで、ちと驚いたのが、ソードアクションが結構サマになっていたという事。そりゃ「るろうに剣心」の域には到底達しておりませんが、クンフーを織り交ぜた近接格闘はなかなかに魅せるものがありました。

期待値のバーをリンボーダンス並みに下げればそこそこ楽しめます。