
疎遠だった母の死、相続した屋敷、封印された幼少期の記憶…個々のアイテムに目新しいものはありませんが、観せ方が独特。
ゆったりまったりした流れで魅せる英国産雰囲気系視覚派ホラー。
「フクロウ男の呪い」
(2013年/Lawrie Brewster監督)
イギリスで教師をしているジェイムスに届いた母の死(死因に関する言及はありませんが、イメージショットから首吊り自殺と分かります)。

疎遠だった母から相続したのは生家、そして幼少期に住んでいた記憶が僅かに残っているバルバドールロックの家。
しかし、母の遺言は“決してバルバドールロックの家に行ってはならない”。
ここで『はい分かりました。行きません』と言うと話が終わってしまうので、ジェイムスはトラウマと対峙するためにスコットランド高地にあるバルバドールロックへ。

待っていたのは、甲斐甲斐しく面倒を見てくれる女性イーヴィと…フクロウ男。
売る気を疑う邦題(原題はLord of Tears)にもなっている「フクロウ男」ですが、フクロウ男(Owl Man)ってのはイギリスに棲息していると言われるUMAの一種なんだそうです。
目撃情報がコーンウォール州(イギリス)のモウナンに集中している事から「コーンウォールのフクロウ男」とか「モウナンのフクロウ男」と呼ばれることもあるそうです。
ウェストバージニア州ポイント・プレザントの「蛾人間モスマン」と同じ箱の生き物ということですね。
お話の部分だけまとめたら30分で納まってしまうと思いますが、スローなテンポと凝った画角、イメージショットの奔流で100分コースに仕上がっています。
ストーリー重視の人は睡魔に襲われるかもしれません。

ラストのちょっと「悪魔のワルツ」チックなオチの伏線になっている同僚にして幼馴染のアレンの描写が(オチにたどり着くまで意味不明で)ちとウザイ。
フラッシュ挿入されるイメージカットに使い回しが多いのもマイナスではありますが、田舎町雰囲気系視覚派ゴシックタイプ家モノホラーが好物の人には拾い物かも。
