『ウインチェスターと…モスバーグと…オズワルド・ライフル。何でここにあるんだろ?』
(Winchester, 30.06,Mossberg pump, and the Lee Harvey Oswald rifle... Why we have that, I do not know.)
ありったけの武器を持って来い、と言われた保安官助手がライフルロッカーから銃を取り出すシーン。
一般的に“オズワルド・ライフル”と言えば、イタリア製カルカノM1938ですが、ここで出てくるのは(imfdbによると)スプリングフィールドM1903のようです。
同じボルトアクションライフルですし、似てるっちゃあ似ていますが、照準とかトリガーガードとかシルエットの違いも多々。
その割にはあとのシーンでこれを受け取った別の人間が「オズワルドの銃?!(Oswald's gun? man, this is the weirdest day of my life!)」という駄目押しのシーンもあったりして、ここいら辺に関するアメリカ人の一般的な認識がどうなっているのかちょっと気になります。
「スパイダー パニック!」
(2002年/エロリー・エルカイエム監督)
以前「巨大クモ軍団の襲撃」を取り上げた時、ついでに“クモ映画選手権”なんてやっつけ企画もでっちあげましたが、本作にも十分入賞資格がありました。
お話は超王道。
工場廃棄物を運ぶトラックが、野ウサギ避けて急ハンドル。荷台から転げ落ちたドラム缶が川にドボン。
この川辺に棲息しているコオロギを近所のクモマニアが餌としてクモに与えたら、クモ大喜び。はしゃいで育って大脱走。
クモマニアのコレクションなので種類が豊富というのがミソ。
お口一杯の鉱夫と天井でクルクル回されながら器用に繭になる理髪店の客。
Jumperの異名を持つハエトリグモからタランチュラコモリグモまで。
真面目なパニックを期待している人には申し訳ないですが、ユル~いコメディです。
壁の内側でクモに襲われている猫。君ん家の壁、何でできているんだい?
何せこいつら妙な奇声(イウォーク族っぽい)を発しながら追いかけてきますから。
ライダー・キィィ~ック!
主演は「スクリーム」ではコメディ・リリーフ(デューイ)だったデヴィッド・アークエット。ヒロインは後に「ヘルレイザー ワールド・オブ・ペイン」でピンヘッドとタイマン張るカリ・ウーラー。そしてその娘にスカーレット・ヨハンソンという豪華(?)布陣。
スカヨハは「ゴーストワールド」の翌年、「真珠の耳飾りの少女」の前年という大事な時…にも関わらず本作をチョイスするとは。流石です。
町を跋扈するクモ軍団はグリムリンの趣。住民の避難先は閑古鳥の泣いているショッピング・モール。『銃のない者は武器になるものを探して!』