デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

チーム残念による尻軽女救出ミッション。 ゾンビ・クエスト

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遂にオランダにもゾンビが…。

原因はロシア(の墜落衛星に付着していた何か)。対するはボンクラ&ポンコツな移民連合。

良い時代になったもんだ。

「ゾンビ・クエスト」(2011年/マルテイン・スミッツ&エルヴィン・ヴァン・デン・エショフ監督)

ジャケには“Zombie Quest”と堂々明記されていますが、原題は“Zombibi”。

何だよ、ゾンビビって(←2004年の「Shouf shouf habibi!」とか言う映画のパロディになっているようなのですが、原典を知りません)。

冴えないビジネスマン、アジズは憧れの同僚、テスとのデートを取り付けたものの、その日にクビ。

日々是パーティな兄、モーの所に顔を出したら、乱闘騒ぎに巻き込まれて留置所行き。

モーが乱闘騒ぎを起こした相手(ヤセとデブの黒人コンビ)と留置所で罵り合っている時、アジズが務めていたビルにロシアの衛星が激突。

こいつに付着していた謎の細菌が原因で、一夜明けたらアムステルダムはゾンビまみれ。

アジズとモー、黒人コンビに偶然居合わせた銀行家、そして腕自慢の婦人警官、キムの6人はチームを組んで安全地帯を目指すことに。

キム以外の登場人物が残念にも程があるボンクラ野郎、しかも失うものなど何も無い移民軍団ですから、発想が常にアナーキー

まずは量販店でお洒落な服に着替え、武器になりそうなものを物色したら銀行行って金鷲掴み。

状況や描写が「ゾンビ革命」と似ていますが、製作はどちらも2011年。偶然の一致でしょうか(因みに出来は心意気も含め「ゾンビ革命」の圧勝です)。

テスがまだビルの上層階に閉じ込められていると知ったアジズは、救出に向かおうとしますが…(ここいら辺が“クエスト”なのか?)。

ギャグはどれもユルいので、どーんと笑う所は無いのですが、妙に後を引く薄ら笑いは何箇所かありました(ゾンビに噛まれたデブ黒人をヤセ黒人とモーが手を変え品を変え殺そうとするのですがなかなか死なない、というシーンをデブ黒人目線のワンカットで撮る所とか)。

軍用トラックを強奪して荷台の銃火器(ガトリング砲)を手にしたヤセ黒人が思わず“Say hello to my little...”と言いかけるとモーが「その台詞はやめろ!」

言わせてやれよ。で、結局、この台詞はモー本人が使っちゃう(笑)。

そう言えば、「ゾンビ革命」でも引用されていましたね、「スカーフェイス」。キューバとか移民とかが絡むと外せないアイテムになるみたいです。

CG含め特殊効果は頑張っていますが、全体的にエロもグロも控えめでライトなコメディです。

発売・販売アルバトロス(何か最近、アルバトロスものしか観ていないような気がするな…)。