素人がプロにちょっかいを出して酷いメに遭う、というのは私のお気に入りパターンのひとつです。
プロはただただ強く、素人はなす術も無く殲滅される。
サスペンスなぞ必要ありません。
一方的、ひたすら一方的に蹂躙し尽す…素人は上には上がいる事を、自分たちが如何に間違った選択をしてしまったのかを臍の緒噛み千切りながら後悔し、死んでいく。
素晴らしいじゃないですか。
「NO ONE LIVES」(2012年/北村龍平監督)
小振りなコンテナを引いた車で旅をしているアベック。男も女もちょっと訳ありな雰囲気。
この二人が強盗団一家の襲撃を受けます。
車はバラして売っ払い、ちょいと痛めつけてカードの暗証番号を聞き出したらこっちもバラしてしまえばいい。いつもの軽い仕事…のはずでしたが。
男を軽く脅すつもりで女の首にあてがったナイフに自ら首を押し付けて女は自殺(どんな経緯があったのかは分かりませんが、相当にテンパッていたようです)。
更に車のトランクには監禁されたもうひとりの女が。
男は大量殺人鬼、監禁されていた女は唯一の生存者、エマ。ちょいとしたセレブの娘で情報提供者には多額の報奨金が。
おお、この女を親元に連れて行けば、情報提供どころじゃない金が手に入るぞ!
棚ボタに浮かれる強盗団でしたが、この時既に彼らは死神の手の内にありました。
「あなたたち、皆殺しにされるわよ」
自分を長期に渡って拉致・監禁していた犯人をどこか得意げに語るエマにトラウトマン大佐の姿が被ります。
IMDbのデータを見る限り凄絶と言っていいコケ方をしたようですが、北村監督作品の中では一番楽しめたかもしれません。
前作「ミッドナイト・ミート・トレイン」も景気良くコケていたようですが、ぼちぼちヤバいんじゃないでしょうか。
※参考:「ええっと…ヘドラは? ゴジラ・ファイナル・ウォーズ」
→2010年5月10日
「すまん、駄目だ。ミッドナイト・ミート・トレイン」
→2011年9月31日