以前「ゾンビーバー」をご紹介した時に“続編はゾンビービー?”と書きましたが、本当に作っていやがりました。
「ZOMBEE ゾンビー ~最凶ゾンビ蜂 襲来~」
(2015年/ミルコ・デイビス監督)
が、残念ながら「ゾンビーバー」とは何の繋がりもなく、原題もZOMBEEではなくTSUNAMBEEでした。
ツ、ツナンビー? 津波のように押し寄せてくる蜂、という意味合いでしょうか。何という微妙なネーミングセンス。
で、本編ですが、ご安心あれ。胸を張って断言できます。
うわあ、つまんねえ。
冒頭、ナイジェリアのサンビサの森でどこぞの調査隊がおぞましい殺人蜂の巣を発見し全滅…するのですが、このエピ、以後のドラマにビタ一文絡みません。
所変わってロサンゼルス。いきなり正体不明の災害(地震+何か)が起きているというニュース。テレビ画面にはビルの高層やら屋上やらが燃えている映像が…。
例の蜂が絡んでいることは想像に難くないのですが、ナイジェリアとロサンゼルスがどう繋がるんだ? 蜂が来ると火災が発生するのか?街では略奪や暴動が起きているようだが、蜂を見た奴はいないのか?
とりあえず大変な事になってるよーという記号のようですがテキトーにも程があります。
で、お話はロスからトンヅラこいた黒人ギャング3人と行き合わせた白人と女保安官の呉越同舟逃避行なのですが、この5人(ギャングの一人がすぐ死ぬから4人)のキャラが酷い。
悪い奴ではないがベラベラと悲観的な事ばかり並べ立てるギャング、何かというと神が神が言うギャング妹、ヘタレで小心で泣き言ばかり言っている白人。そして、主役ポジなのに妙にムカつく保安官。
とっとと全員蜂に刺されて死んでしまえ、なメンバーです。
崖で車がぎったんばっこんというドリフのコントのような安いサスペンス+安いCG+CGと全くシンクロしない棒立ち役者の安いリアクション(価格破壊のバーゲンセール)。
ギャングの弟を殺した警察官が実は女保安官だったという天文学的偶然(その時の経緯を一切説明しないのでギャングが怒る理由も保安官が謝る理由もわからない)。
やたら聖書とか引用して神の怒りのような雰囲気を作っていますが、結局、地震の理由も蜂の正体も双方の因果関係も最後まで分からず。
ここまでテキトーを貫いた脚本にはなかなかお目にかかれません。
民家にたどり着いた時は昼間だったのにドア蹴破った時は夜で雨とか、夜が明けないうちに出発よとか言っていたのに外に出たらピーカンとか普段なら突っ込み所な描写も「あ、何かもうどうでもいいわ」って気にさせる破壊力。
ああっと言い忘れておりましたが、蜂に刺されるとゾンビになります。理由は分かりません。