『なあ伝さん、何でこの街にはいきいきデーなんてものがあるんだ?』
『そりゃあおめぇ、ここが日出通り商店街で今日がいきいきデーだからさ』
『なんじゃそりゃ』
昨日の「パージ:大統領令」で引き合いに出した中島らもの「日の出通り商店街いきいきデー」ですが、映像化されていました(知らなかった!)。
「日の出通り商店街いきいきデー」
(2008年4月2日「世にも奇妙な物語 春の特別編」/石川淳一演出)
年に一度のいきいきデー、それは何でもありのバトルロワイアル。ルールはふたつ。
- バトルフィールドは商店街内に限定される。
- 武器は各々の商売に関係したものとする。
“人間もラーメンも薄味”な大北京の磯谷大二郎(船越英一郎)はこれまでいきいきデーに参加したことがありませんでしたが今年は一念発起。
得物はお玉と中華鍋。初陣は八百屋。幸先良く倒したところで立ち塞がったのは主治医・真田(筒井康隆!)。
『治すばかりで一生終えることもないだろう。前から参加して屍の山を築きたかったんだよ!』
とにかくスタッフのノリが凄い。
潤沢なCG、マカロニなアングル、無駄に盛り上げる音楽、シーンごとに調整された色味。
最強の刺客である和尚(本田博太郎)との「カンフー・ハッスル」かよ!な大空中戦に至っては最早人を超えています。
どんだけ楽しんで作ってんだ!? まだこの頃のフジテレビには(以下略)。
『中年を過ぎると仕事なんてただの暇つぶしで、自分はもう用済みだって気づいてくんだ。で、その後急に頭の中におからが詰まったような気がしはじめて。で、どーしても参加したくなるんだなあ、いきいきデーに』
行き場を失った中高年の悲哀も加わって味わい深い作品になっていました。
観終わった後にコショウをたっぷりかけたラーメンが喰いたくなると思います(私は作って喰いました)。