
地味ぃな刑事モノ(ハードボイルドとも言う)を撮る時、“刑事の家庭がうまくいっていない描写”を入れるのがお約束みたいになっていますが、それって必要か?
反抗期の娘、別居しているが職場は一緒の妻、あと犯人追跡中に刺されたトラウマからここぞという所でパニック障害になって使い物にならなくなる女刑事。

見た目も可愛くない娘と明らかに足を引っ張っているのに開き直る女刑事。
単純なお話にスパイスを足したかったのかもしれませんが、ドラマとしてもサスペンスとしても機能していません(イラッとはしますが)。
「チェイス・ダウン 裏切りの銃弾」
(2015年/ニコライ・ローデ監督)
アクション映画っぽい邦題ですが、原題は「BRANDMAL(烙印・焼印)」。連続猟奇殺人事件を追うジャーマン刑事を描いたTVMです。
左巻きの大物歌手が頭皮を剥がされて殺された。これを皮切りに起きる連続猟奇殺人事件。
その裏には80年代に左翼活動が先鋭化し過激派集団となったグループの影が。

仲間に密告され射殺されたリーダーとその愛人。その忘れ形見の少年が始めた報復戦。
真相に迫る捜査班と犯人の駆け引き…となるはずなのですがこれが思いのほか退屈。
犯人と捜査班の接触が少ないので対決の構図が希薄。ネット検索とデータベースアクセスで状況証拠が揃ってしまうので何か楽している印象。

肌触りだけは「特捜部Q」(檻の中の女/キジ殺し)に近いのですが、スリリングさという意味ではかなりの乖離が。
邦画だと「マークスの山」あたりが似た雰囲気かも(スケールは大分違いますが)。

