第1話で世界一可愛くない小学生・双一を見た時は『うわあ、なんじゃこのガキ』と潮干狩りが出来るくらい引きましたが、しばらくすると双一が恋しくなる不思議現象が。
第5話Bパート(No049「布製教師」)で再登場した時は邂逅の悦びにも似た感覚に陥り…。
教室で木枯し紋次郎よろしく釘を飛ばしてきた時は『おおぅ双一キター!』(笑)。
逢いたかったぜ、双一。
三ツ矢先生のノリにも磨きがかかり、キャラ立ちだけならシリーズNo.1かもしれません。
「伊藤潤二 コレクション/第3-6話」(2018年1-2月/田頭しのぶ監督)
オムニバス傑作選なのでエピのチョイス、カップリング(1回2話)、放送順等頭を悩ませたと思います(逆にこっちは「何がくる?!」という期待感がムクムク)。
シリーズに共通しているのは不条理。
人は理由もなく人形になり、なめくじになり、迷い込んだ異世界から出られません。
“投げっぱなし”な幕引きが逆に心地良い戦慄のワンダーランド。
前半のイチオシは第4話Aパート「寒気」。
呪いを呼ぶ翡翠の彫板(ひすいのちょうばん)。魅入られた者は全身に穴があく奇病に冒され、罹患するとどこからともなく緑の注射を打ちにくる医者が現れる。
どこか「冷気」「異次元の色彩」を思わせるクトゥルフの香り漂う宇宙的恐怖。
第6話Aパートの「隣の窓」は、怖さと投げっ放しのブレンドが絶妙でした。
引っ越してきた家の隣は2階に窓がひとつしかない、誰が住んでいるのかご近所も知らない不気味ハウス。
その窓の向かいにあたる部屋が自室となった少年に夜な夜な囁き声が。
『ぼっちゃん、ぼっちゃん。眠っているんですか…。遊びに来てくださいな』
窓をあけると向かいの窓から超気色悪いマダムが…(嫌ぁあ!)。更に次の夜。
『ぼっちゃん、ぼっちゃん。どうして来てくれなかったんですか? そうですか、ではこちらから』(やめてぇ!)
こちらから行かなければ安全という思い込みをあっさり粉砕する展開に恐怖倍増。
キスをせがむ唇のように窓がせりだして来るエンディングは投げっ放しの白眉。
そして第6話Bパート「穏やかな別れ」。まさかこのシリーズで感動しようとは思いませんでした。
突然の別れによる悲しみを和らげるため、死者の残像を呼び起こし、ゆっくり時間をかけて別れを受け入れる生者の智恵。
ああ、これは人情噺版「ゾンゲリア」だ。
不条理×(笑いor恐怖or感動)。見事な公式。後半も楽しみです。
★ご参考