『お前…いつもそうだよな。一人で決めて突っ走って…周りのことなんか振り向きもしない。パパもオトナたちもいなくなったのに…自由になるどころかままならないことばっかで!そういうみんなの不安…考えたことあるのかよ!誰かが倒れても見守るしかなくて…それでも!みんなで生きようって藻掻いてる時に…死にに行くような真似する奴を一体…なにを分かれてっていうんだよ!お前に…生きてて欲しいって…支えてる奴の気持ち踏み躙って!勝手に行っちまうお前の…!一体…なにを分かれっていうんだよ!!』
『…それでも行くんだ。ゼロツーが笑ってくれないなら…俺は生きてないのと同じだから』
ゴローの本音、ヒロの決意、ミツルの覚悟、ナナの決断、そして13部隊の選択。
何も与えられないと言う事はあらゆる局面で選択と決断を迫られるということ。
自由の代償はとてつもなくデカく重い。
「ダーリン・イン・ザ・フランキス/第22話・スターゲイザー」
思念体の侵略者VERM(これってまんま「魔王ダンテ」のソドムとゴモラにやって来た神ですね)の斥候隊を退け、パパの支配から解放されたコドモたち。
しかし、待っていたのは自給自足という厳しい現実。
ストレリチア・アパスはヒロとゼロツーが降りた後、叫竜を引き連れてVERMとの戦場である宇宙へ。
完全に抜け殻となり意思疎通もできなくなったゼロツー。更に理由も無くかまいたちのような創傷が全身に。
マグマ燃料の取り過ぎで痩せた土地は植物を受け付けず、機材はメンテができないために水と電力の供給にも不安が。
イチゴは過労で倒れ、ココロは正式に妊娠が発覚(行為の記憶も言葉の意味すら脳内から消されているというのに!)。
絶望の只中、帰ってきたハチとナナ。
フランクス博士の遺言メールに導かれて施設地下へ。そこには能力不足として廃棄されたはずのコドモたちがコールドスリープ状態で…。
博士からの最後のメッセージ。『お前達がコドモにとっての大人になれ』
オトナではなく大人。『どうしろって言うのよ、そんなの』
もう自分に出来ることなんかない、というナナ。ナナの姿を見るや『助けて!』と駆け寄ってきたミク。深夜ひとり泣いているコドモを見て車椅子から立ち上がるナナ。
そしてゼロツーの魂は肉体にではなく、ストレリチアと共にあることが発覚(戦いで傷を負うとそのまま肉体に反映される)。
ゼロツーは宇宙に。ならば行くしかない。しかし、どうやって?
偶然(?)発見され(人間側からアクセスができ)た叫竜の宇宙船。プログラムされていた航路は…火星。
『ゼロツーを…一人にしておけない。約束したんだ…離れ離れになっても、どんなに遠くにいても迎えに行くって。その約束をゼロツーは守ってくれた。それなのに…俺が何も出来ないなんて!そんなのはダメなんだ…!』
まあ、正直、離れる→くっつく→別れる→くっつく→裂かれる→追いかけるを延々繰り返しているだけのようにも思いますが、いいじゃないですか、そんなことは。
すれ違いはメロドラマの基本にして王道です。
火星に旅立つヒロと行動を共にするという“選択”をした13部隊(ミツルとココロは残留)と生き残り9’s。
スペース・オデッセイの幕が開く。