『エレン!おかげでみんな助かりました!でも正直言うとあなたが泣きわめきながら気持ち悪い走り方で飛び出したあの瞬間は「もうこれは駄目だ!終わりだ終わりだ!このおばんげねぇ奴はしゃんとしないや!ほんっとメソメソしてからこんハナ垂れが!」と思いましたよ』
サシャのこの台詞は原作でもツボだったのですが、アニメではいい感じに方言のイントネーションが加わって破壊力5割増しになっていました。
方言混じりで早口なのに滑舌が良くて聞き取りやすい。流石です、小林ゆうさん。
「進撃の巨人 Season3/第45話・オルブド区外壁」
(2018年9月9日深夜NHK放送/浅見松雄、東亮祐演出)
巨人になってエレンを喰い、始祖の巨人の能力を取り戻すという父親の命令を拒絶して心折れたエレンを助ける事にしたヒストリア。
『私は人類の敵だけど…エレンの味方。いい子にもなれないし神様にもなりたくない。でも…自分なんかいらないなんて言って泣いてる人がいたら…そんなことないよって伝えに行きたい!それが誰だって!どこにいたって!私が必ず助けに行く!』
ヒストリア、立派になりましたねえ。3期はヒストリアの物語です。
絶望したレイス卿は自ら巨人薬(?)を舐めて巨人化。その体躯は超大型の倍。エレンを喰うという目的も忘れて地上へ。
崩落する地下礼拝堂。退路無し、逃げ場無し。黙って下敷きになるか、無茶を承知で飛び出すか。
レイス卿の黒い鞄から転がり出た「ヨロイ」と書かれた巨人薬を掴み瓶ごと噛み砕くエレン。
ヨロイ。ライナー・ブラウンが持っていた鎧の巨人の能力を得たエレンは肉体を硬質化。触手のように柱を立てて崩落阻止。
硬質化のプロセスって原作では端折られていたので、絵になったのは嬉しい限り。色あいもクリスタルな感じになっていて分かりやすい(まるで王蟲の抜け殻だ)。
地上に出た巨人レイスは立ち上がることもできず、高温をまき散らしながら這って前進。ここCGだと思いますが、ぬめらうにょろとした動きが気色悪くていい感じ。
例によって細かい台詞の順番や話し手の変更があるのですが、どれも良い改変。
3期該当分に関して言えばアニメを定本としていいような気さえしてきます。
巨人レイスが向かっているのはオルブド区。住民避難の段取り打ち合わせ会議できっぱりと避難を否定するエルヴィン団長。
『住人にはこのままオルブド区に留まってもらいます』
鬼か悪魔かエルヴィンか。果たして勝機は…。