旅行者は追い剥ぎ強盗に殺され、強盗は原住民に喰われ…。
これが西部の食物連鎖か。
「トマホーク ガンマン vs 食人族」
(2015年/S・クレイグ・ザラー監督)
タイトルだけ見るといかにもアルバトロスあたりが買い付けてきそうなB級(いや実際、制作費180万ドル、撮影日数21日という紛れもないB級)映画ですが、これが(色々な意味で)本格派。
原住民の聖域を荒らした追い剥ぎ強盗の一人が、とある町に逃げ込みますが、女医、副保安官ともども原住民に拉致られて…。
急遽、4名の救出部隊が編成され追撃を開始しますが、ひとりは老人、ひとりは怪我人(女医の夫で片足骨折中)というハンディキャップマッチ。
原住民と言ってもインディアンではありません。言葉を持たない穴居人。正に食人族。
前半~中盤は保安官(カート・ラッセル!)に率いられた一行のキャラ説明。実に地味ですが実に西部劇らしい詩情を漂わせています。
なんだ真っ当な西部劇じゃん、と思っていたら終盤で唐突にグロゴア突入。
個人的にはラスト間際にちらりと映った“両手両足を切断され、両目に杭を打ち込まれた妊婦”が近年稀に見る破壊力でした。
おおおお前らゴブリンかよ!? ひょっとしてさらって来た女を孕み袋にしているのか?
原題は「BONE TOMAHAWK」。骨から削りだした斧。切れ味抜群。
対する文明の利器はお馴染みSAAやスコフィールドなどですが、女医の夫(「インシディアス」「同2」「死霊館」のパトリック・ウィルソン)が、メルウィン・フルバート社のファースト・モデル・フロンティア・アーミー(Merwin, Hulbert & Co. First Model Frontier Army)というちょっと珍しい拳銃を使っていました。
前半の瞼重くなる展開と終盤の目を覆うグロ描写、双方に耐えうる人はご観賞あれ。
★ご参考