俺の名はニック・バロー。犯罪プランナーだ。
ブツの在りかから侵入経路、逃走経路、セキュリティーの中身から警備・警察の到着時間まで、完璧に調べて練り込んだ強奪プランを実行者に売り渡す。
今回のお宝は警察に眠っている押収紙幣。
いつも通り大成功…と思ったら実行者が何者かに皆殺しにされちまった。
マズイ事に実行者は麻薬王の息子。当然、父親が報復に乗り出して来る…というか来た。
言い訳が通じるはずもなく、奴らはアル中のカミさんに預けっぱなしにしている16歳のひとり娘ケイトを人質にとろうとしていやがる。
ケイトを遠くから盗撮するのだけが生きがいなのに!
奴らより先にケイトを確保しなければ…。そして俺を嵌めた奴を見つけてぶっとばす。
「デッド・オア・ラン」
(2016年/ピーター・ビリングスリー監督)
何という心に刺さらない邦題。WOWOW放送時は「二重逃亡」という更にイミフなものに。
原題は「Term Life」で訳しようがないのは分かりますが、これでは…。
※原題はニックがケイトを受取人にした多額の生命保険の発効期間21日を指しているのだと思いますが…
ニック・バローにはリメイク版「サイコ」のノーマン・ベイツ、ヴィンス・ヴォーン。
娘ケイトに「トゥルー・グリッド」でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされたヘイリー・スタインフェルド。
突然ドア蹴破って押し入ってきた父親(しかも職業:犯罪プランナー)との強制的逃避行(傍目には誘拐ですな)に戸惑う娘(反抗期ド真ん中)。
要所要所でニックが「計画の立て方」や「群衆に紛れるコツ」とかを伝授していくのがいいですね。
途中、移動式遊園地に立ち寄るシーンがあるのですが、ここで「ああ、これはペーパームーンなんだ」と思いました。
ツーショットの写真も効果的に使われますし。
原作はA・J・リーバーマンとニック・ソーンバロウが2011年に発表したグラフィック・ノベルだそうで。
こんな感じの絵柄。
特別ゲストで元UFC世界ヘビー級王者、ケイン・ヴェラスケスが麻薬王の側近兼ボディガード役で出ておりました。
1012kgのパンチがニックを襲う!
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★本日3月19日は「カメラ発明記念日」
1839年のこの日、フランスの画家・写真家のルイ・ジャック・マンデ・ダゲール(1787~1851年)が写真機を発明しました。
この写真機は発明者の名前をとって「ダゲレオタイプ」と呼ばれ、銀メッキをした銅板などを感光材料として使うため、日本語では「銀板写真」とも呼ばれています。
銀板写真を題材にした映画にはそのものズバリ「ダゲレオタイプの女」(2016年/黒沢清監督)というのがありますが、未見なのでちょっと横っ飛びしてザブルーダー・カメラの話を。