俳優・歌手の志賀勝さんがお亡くなりになりました。
4月3日。拡張型心筋症。78歳。
出演作は数知れず。三歩下がって尚溢れ出る顔力のせいで、登場一瞬、記憶永遠な個性の塊。
曼荼羅畑でも何本かご紹介してきましたが、今回は代表作としてこちらを取り上げたいと思います。
「大都会 闘いの日々/第23話・山谷ブルース」
(1976年6月8日放送/倉本聰脚本・澤田幸弘監督)
組(南友会)の偉いさんの罪を被って入所。出所後に山谷のドヤでひっそりと死んだ男・三上。三上の兄貴分で同郷の秋葉が志賀勝の役どころ。
三上の葬式を組で仕切り、集まった香典を三上の母親に、故郷で病に伏せ生活保護を受けている三上の母親に届けたいと言う秋葉。
『あいつも俺も、そのおふくろさんに何もしてやってないからねえ。だからせめて、香典ぐらいね。奴ら、それぐらいやる義理があるんだ。この際、香典の5万や10万』
その秋葉を信じ切れずにいる黒岩(渡哲也)。結局は組の資金稼ぎだろうと。
葬儀当日。集まった香典を金庫ごと奪い、逃げ、追手と刺し違え、三上の女だった霧子(杉本美樹)の務めるソープランドへ向かう秋葉。
這いつくばりながら上がる階段。霧子の歌う山谷ブルース目指して。
霧子に金庫を見せ、笑い、倒れ、階段を転げ落ちて息絶える秋葉。
秋葉の墓前。三上の母親。近くまで行きながら花を子供に託してその場を去る黒岩。
『黒岩さん。あんたを勘違いしてたよ。他のデカたちとちょっと違って、あんただけは俺らを普通の目で見てると、勝手に買いかぶっていたんだがな。やっぱりあんたも所詮、デカだな』
秋葉とすれ違いのまま死に別れた黒岩の悔恨。
もう全編、志賀勝オンステージでした。映画1本分の満足感。
ご冥福をお祈りいたします。
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