
『この世界は人の風下に立ったら終いじゃ! あいつらいわすまでとことんやっちゃる!』
風上に立てるのは…ひとり。
「激動の1750日」(1990年/中島貞夫監督)
三代目の跡目に指名された山本健一(菅原文太)の獄中死で幕を閉じた「制覇」から8年。その告別式から始まる直球の続編です。
三代目・姐(田岡フミ子)は岡田茉莉子が続投(面倒くさいので役名・組織名は全てモデルの実名に置き換えます)。
竹中正久(萩原健一)を擁する渡辺芳則(中井貴一)一派と山本広(夏八木勲)を擁する加茂田重政(渡瀬恒彦)一派。
跡目を巡る対立と反目。袂を別った山本広が一和会を設立。山一抗争の始まりです。

劇中では八矢会。ややこしいなあ。
例によってオールスター。しかし、100%とはいかないので、スターオーラを振りまく人と没個性なその他大勢に二極化。
ショーケン、中条きよし(宅見勝役)はミスキャストではありますが、カメラが一瞬舐めただけでその存在を主張するオーラがあります。

渡瀬恒彦の「人生劇場」フルコーラス熱唱も聴けます(笑)。
渡瀬恒彦(加茂田重政)、中尾彬(小田秀臣)、本田博太郎(伊原金一)、志賀勝(東健二。以上一和会)、清水健太郎(松山政雄)も同様。
ただ中島監督の演出に往年のキレがない。加えて音楽(小六禮次郎。85年のゴジラの音楽作った人。倍賞千恵子の旦那)が酷いという追い討ちがあって全体的な印象は残念無念。
アクションシーンに関してはそこそこ(別班監督として土橋亨の名前がクレジットされているのでカースタントやら銃撃戦やらは彼が演出しているのだと思います)。

「山口組三代目」から始まった山口組SAGAも一旦幕。次の伝説が生まれるのはいつでしょうか。