「仁義なき戦い」シリーズも同じ役者が別の役だったり、同じ役が別の役者だったりと混乱の坩堝でしたが、Vシネ実録シリーズも町内会の持ち回り班長制度の如きバトンリレーで毎回整理に七難八苦。
ここに実名無し仮名制度が加わって更なる混沌の極みへ。
まあ、そこいらへん確認しつつ観るのも実録物の醍醐味ではありますが…。
「実録・大阪やくざ戦争 報復(かえし)」
(2002年/石原興監督)
1975年7月26日から1978年11月1日に掛けて大阪府周辺で実際に起こった三代目山口組(劇中では山王会)と二代目松田組(同・梅山組)との抗争事件である『大阪戦争』がモデル。
山一抗争(1984-1989)をモデルにした「実録 史上最大の抗争 義絶状(1&2)」の前日譚的位置づけ。
「義絶状」に関してはこちら参照。
で、景気よく役と役者が被っています。
キーマンである三代目山王会若頭/谷健組組長・谷岡健三(山口組若頭/山健組組長・山本健一)は山本昌平で変わらず。
困ったのは清水健太郎。
「義絶状」では山王会若頭補佐/武田組組長の武田力也(竹中組・竹中正久)を演じておりましたが、こちらでは谷健組若頭補佐/法力会会長・法力朱雀(盛力会・盛力健児)を(しかもどちらも冒頭で刑務所に入っている…)。
では竹中正久は誰が演っているのかと言うと大和武士。
武闘派な感じは良く出ていましたが、あまり思慮深そうに見えないのが難。
ややこしいのは常連俳優・渡辺裕之。
役どころは山王会若頭補佐/権藤組組長・権藤政夫(菅谷組・菅谷政雄)。
「義絶状」でも山王会若頭補佐/鴨井組組長 鴨井茂雄を演じていましたが、同じ若頭補佐でも、こちらのモデルは後の一和会副会長兼理事長・加茂田重政です。
しかし、「実録・北陸やくざ戦争」で渡辺が演じた権藤はこの権藤と同一人物(ええい!ややこしい!)
「北陸やくざ戦争」に関してはこちらを。
お話は遺恨が飛び交い清水健太郎が報復(かえし)を誓うところまで(続くのかよ!?)。
実は実録もので毎回、盃シーンに現れては儀式の口上を朗々と謳い上げる人がずっと気になっていたのですが、今回ようやく謎がとけました。
原作・原案・監修の村上和彦その人でありました(公式HPによれば『作家生活48年と言う半世紀に亘り、かたくなに、かたくなに「任侠」のみを描き続けて来た異色の作家』)。
おまけ
おっともうひとりいました。役柄継続同一役者。兵庫県警の野本昭男(島田洋八)。
「義絶状」では10年経過しているのを踏まえて出世しておりました。芸が細かい(左:大阪やくざ戦争、右:義絶状)。
続編である「完結編」は、山王会会長・竜造寺誠道(山口組三代目・田岡一雄。演じるは梅宮辰夫)狙撃事件(ベラミ事件)から、雪崩式報復→山王会側の一方的終結宣言まてが描かれますが、何故かこの手の話の後半って盛り下がっちゃうんですよねえ…。
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★本日10月3日は白竜の誕生日(おめでとうございます!)
今やallcinemaで検索をかければ320本を超える作品が引っかかって来るVシネの重鎮。存在を知ったのはかれこれ37年も昔の話。
その名前と声を知ったのは…
そして顔と演技を知ったのは…
★本日のTV放送【21:00~フジテレビ/土曜プレミアム】