『わしに敵に塩送った上杉謙信になれっちゅうんか!上杉謙信はな、負けたんど。わしに負けぇ言うんか…まぁええやろ。それもええやろ』
ホントこの人☝は出て来た途端にその場をド演歌大浪花節に染め上げるなあ。
「実録 みちのく抗争 死守りの盃」
(2003年/石原興監督)
1989年(平成元年)、山形県の城東組関山一家阿藤会川森組(極東関口一家佐藤会川村組)と五代目山王会直参羽田組(五代目山口組羽根組)の諍いに端を発する「みちのく抗争」(嗚呼、漢字まみれで情報が頭に入って来ない…)。
五代目山王会直参 羽田組舎弟 黒潮譲司(遠藤憲一)が川森組のシマ内の飲食店でケツ持ち(用心棒)を強要して回った、というのが事の発端ですが、その原因は何と「犬」。
羽田組組長・羽田悪太のモデルは羽根組組長羽根悪美(本名恒美)。
川島組がケツ持ちしている飲み屋のママの飼い犬を同じく川島組がケツ持ちしているスナックの女が横取り。
ここから「犬返せ&慰謝料払え!」に発展。このスナックの女が収監中の黒潮のイロ。
出所して女に泣きつかれた黒潮は山王会の代紋盾に川森組に因縁つけて営業妨害。
キレた川森組が黒潮拉致って殺して死体遺棄。
黒潮の葬式に山王会900人が山形入りして全面戦争勃発。
一匹の犬が東北の覇権を賭けた博徒VS神農の抗争に発展しようとは。罪だぜ、犬。
この抗争に巻き込まれた阿藤会執行部畠田組組長・畠田龍一(中野英雄)が主人公(モデルは恐らく兼昭会初代会長・畠山昭一)。
抗争そのものは手打ち(平成2年1月23日、五代目山口組舎弟の奥州会津角定一家五代目総長木村茂夫と極東関口一家最高顧問の佐藤会総長佐藤儀一が会津若松市内にて、五分の兄弟盃)を以て幕となるのですが、それで終わらないのがやくざの世界。
手打ちか全面戦争かで割れた阿藤会の火種は燻り続け、阿藤会総長代行 水新組組長・水口盛雄(加勢大周)は阿藤会と袂を別って盛心会を立ち上げ、山王会の傘下に。
阿藤会に残った畠田龍一は心ならずも水口と矛を交える事に。
そんな畠田にム所仲間が引き合わせてきたのが、五代目山王会 三代目谷健組本部長・片倉敏明(清水健太郎。恐らくモデルは三代目山健組・片岡昭生本部長)。
盃と絆を重んじる畠田を気に入った片倉は何とか畠田を潰さずに生かす方策を模索しますが…。
原案・脚本は「いつもの」村上和彦。この人絡みの作品で《盃儀式》の口上シーンがないのは珍しいかも。
★本日9月3日はチャーリー・シーン(1965~)の誕生日(おめでとうございます!)
何かとお騒がせな人生を歩んでおりますが、代表作はこれって事で異存は…ありますかそうですか。