『神様も粋な計らいをしてくださる。なぁお前ら』
飛べなくなった女神のために死に場所を与えてくれた神に感謝。
『見ろよ、俺たちの女神が泣いてる』
『地獄行きだぜ、俺たち』
『じゃあせいぜい地獄の入口を派手に潜ってやるとするか』
殲滅目的ではない。住民避難のための時間稼ぎ。捨て石の誉れ。
館山基地奪還のため、セカンダリーピラーの内懐に飛び込んだ宮古とシールド3馬鹿隊。
圧倒的な敵数の前に燃料も残弾もあと僅か。
『いくらでも掛かってこい。あたしは今までもこれからも一度だって諦める事はない!』
この世界の謎を解き明かす鍵を求めてヴァルハラに分け入ったアズズ、クラウと護衛班の前に立ちはだかったのは謎の巨人兵士。
『我が翼の名はシュヴェルトライテ! 命を惜しまぬ愚か者から掛かって来るがいい!』
命のやり取りの前にはまず名乗り。古今東西の区別無し。
巨人兵士の攻撃で重傷を負い動けなくなった護衛班リーダーは全員に次の間への撤退を指示。
『早い話、ここは俺に任せて先に行けって奴だ』
『それ人生で一番言いたい奴ですよ』
『悪いな。独り占めだ』
言葉の意味を十分に理解しているクラウ。しかし、
『また館山で』
別れの言葉は再会の約束。撤退を確認してC4で自爆するリーダー。
状況判断を見誤りそうなアズズにクラウがビンタ一閃。
『世界を救うには私たちが、いや、お前が必要だ、駒込アズズ!』
一方地上。避難しきれず陣痛に倒れた妊婦。ピラーの目的は生命力。つまり赤ん坊では。症状的に妊婦を動かすのは危険。どう守る?
『この時間を作るために飛んでってくれた人たちがいる。無駄になんかしてらんない。あたしも戦う乙女なんだから』
撃墜されかけたショック(急性PTSD?)で操縦桿を握れなくなった園香。
『もう駄目だ』と思ったら開けろ、と天塚に渡された御守。中に入っていたのは…。
甘えんなバカっ!!
…吹っ切れた。
『渡来園香、飛びます!』
宮古を追って上空2万フィートのピラー外壁から中へ。
『ごめんね、遅くなって…でも、これから先、わたしがこの空で一番速い!』
登場時の音楽冒頭に西部劇っぽい口笛が入っていたのが何気にツボ。
急速旋回下降しながらの乱れ撃ち。こりゃレシプロ機のガン=カタだ。
ヴァルハラの扉を抜ける時、巨人兵士に脚を掴まれたクラウ。引き戻すアズズ。
『こいつは館山のもんだ!』
消滅するヴァルハラのゲート。謎の言葉(ヴァルハラ語?)を残して世界を別つ巨人兵士。
『すまない…助かった』
『馬鹿、ありがとうって言え』
もう皆が皆、「かっちょいい台詞を言わないと死んでしまう病」に罹ったんじゃないかとすら思える(言って死んだ奴もいましたが)キメ台詞の波状攻撃。王道とお約束の見本市。
「戦翼のシグルドリーヴァ/第9話・館山故郷奪還戦!」(2020年12月5日BS11放送/小原和正演出)
前回、北欧に神の逸話が存在しない事を訝しみましたが、今回その理由の一端が判明。
この世界に於いてラグナロクは「これから起きる」事ではなく、「既に起こっていた」事。
ラグナロクによって神々が滅び、北欧のクラウの生家に意味も分からないまま語り継がれていた歌の中にのみ神話が存在する世界、それがこの世界線のようです。
『僕は…俺は絶対認めない。ラグナロクはこれから起きる。私たちは滅んでなどいないんだ!』
あーこれってつまり、うっかりラグナロクを生き残ってしまったオーディンが滅びの道を全うするためにやり直しを画策している世界って事でしょうか(←実は良く分かっていない)。
何かアルマゲドン起こして人類を殲滅した挙句、不動明も失ったサタンがやり直しのための世界を再構築した「バイオレンス・ジャック」みたいですね(←多分違う)。
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★本日12月9日はカーク・ダグラス(1916-2020)&ジョン・カサヴェテス(1929-1989)の誕生日。
カーク&ジョンと言えばもうこれしかありません。