『私も帰ろう、館山に。
館山は…帰る場所…か』
帰る場所は居るべき場所。居るべき場所は成すべき場所。
自覚と覚悟と安らぎと。
「戦翼のシグルドリーヴァ/第十話・館山湾決戦前夜!」(2020年12月11日BS11放送/飛田剛演出)
ピラーとオーディンはグル。ラグナロク敗者復活戦を目論む神々のマッチポンプでした。
この機に乗じてオーディン以外の神々も多数復活。
その中には「フレイヤ」だの「ロキ」だのどこかで聞いた事のある名前もちらほら。
さて、オーディンが固執するラグナロクですが、これは神々VS巨人の最終戦争。
ギリシャ神話における「ティタノマキア(タイタンの戦い)」と同じ構図だそうで。
因みに左が16世紀の画家コルネリス・ファン・ハーレムによる「Fall of the Titans」の一部、右が「進撃の巨人 The Final Season第1話」の降り注ぐ巨人たち。
「アサルトリリィ」もダインスレイフでラグナロクと繋がりましたし、今期は色んな作品が横串ざっくりで面白いですね。
でオーディンは一体何がしたいのか?
ラグナロクで勝利を収めることだと仮定すると、欲しいのは戦力。
戦場で死んだ戦士の魂はワルキューレによってヴァルハラに運ばれ、そこでオーディンの養子となり、ラグナロクに備える兵士エインヘリャルとなります。
つまり、オーディンは人類に栄光ある死を迎えさせ、その魂をワルキューレの手でヴァルハラに運ばせ、自らの手駒エインヘリャルとしたいのではないでしょうか(外れたら御免よ)。
実にとんでもない発想ですが、元々オーディンは戦争と死を司る神ですから、まぁこれくらいの事はするんでしょう。
そんな中でも人は人として生きる。
今回はアズズと宮古のすれ違っているようで重なっている信頼の絆が良い感じでした。
ひとつ間違えるだけで人類は滅ぶ。そんな瀬戸際土壇場待ったなしの状況で「正解」を迫られるアズズ。
こんな時こそ景気づけと安らぎを、と中止になりかけていた館山の祭りを開催に持っていこうとする宮古。
その能天気さは一杯一杯のアズズには思いつきの短絡行動に映り…。
『何でこう…馬鹿ばっかりなんだ!』
戦友を見舞い、館山に「帰って」きたクラウに宮古が応える。
『アズは間違えないもん。アズが頭のいい人たちの正解を選んでくれる。だから私は馬鹿代表の正解を選ぶ。私とアズが一緒なら何にも間違わないの!』
アズの居所は分かる。海が見下ろせる高い場所。
『うちは天才だ。賢くて可愛い。だから分かる。次の反攻作戦が失敗したら、人類は終わりだ、負けるんだって。負けないようにずっと考えてる。勝てる作戦、布陣、ワルキューレの数…ずっと…ずっとずっと…ずっと』
『アズって本当に泣き虫だよね』
『弱虫でゴメン』
『アズは泣き虫だけど、弱虫だった事は1回もないよ』
今回の見出し、【泣き虫だけど】【弱虫じゃない】とどっちにしようか悩みましたが、館山に対する想いはクラウ一人のものじゃないよなぁ、と思って表記のものにしました。
『こんな重たい責任、背負えない』
『じゃあ、半分こしてあげる』
屋台が立ち並ぶ館山のお祭り。宮古があつらえた浴衣で。〆は海辺で灯篭流し。空からは宮古&アズズの乗った飛行機から花火(天使の翼)。
祈り、献杯、レクイエム(クラウの歌)。
死者の魂は弔った。次は生きる人のために。次回「富士ピラー再攻略戦!」
おまけ➀お風呂入浴バスタイム
第五話でも入浴シーンがありましたが、園香のみ「一足先に上がった」設定でした。今回リマッチ。お供は宮古。
これで14歳…だと? 流石最年少ネームド候補。
おまけ②寝起きアズズとお着換えアズズ
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★本日12月17日はミラ・ジョヴォヴィッチ姐さんの誕生日(おめでとうございます!)
姐さんと言えば「バイオ」一択ですが、今回はバイオ以外で…。
★そして本日12月17日はダン・オバノン先生(1946~2009)の命日。
脚本がメインではありますが、監督も役者もこなす多彩ぶりでした。
BEST WORKSを追記した追悼記事の採録を。