ライナーまさかの主役繰り上げ当選で幕を開けたFinal Season「マーレ編」。
本編の前に前回触れなかったOP主題歌について。
4期のOPは2期EDも手掛けた神聖かまってちゃん。
リンホラでなかったのは残念無念ですが、何度か聴いている(と言うか観ている)うちに「これもアリなんじゃないか」という気になってきました。
前期までの流れをぶった斬って河岸を変えるという意味も含めてマーレ編はこれでいいような気がします(少なくとも3期前半の“上っ面お洒落OP”よりは百万倍マシ)。
主要キャラを一切出さず、国家が、民族が戦争へとひた走る様子を、爆発と破壊と殺戮のコラージュで描く映像は背筋に怖気の走る不気味さを湛えています。
歌詞とかびた一文聞き取れませんが、それも含めて“いい感じ”です。
「進撃の巨人Final Season/#2(通算61)・闇夜の列車」(2020年12月13日深夜NHK放送/徳土大介演出)
中東連合との闘いに勝利を収めたマーレ軍の凱旋帰国。
ジーク、ライナー、ガビら戦士候補生が帰った先は「エルディア人収容区」。早い話が「ゲットー」です。
腕章の装着義務と隔離政策、マーレ軍の元帥は誰かさんにウリ二つ。マーレとエルディア人はそういう関係なのですが、実はそう簡単に線引き出来るものでもなく…。
エルディア人の巨人化能力とその力による大陸支配、争いを忌避したフリッツ王によるパラディ島遷都とマーレの逆襲、パラディ島に移住できず大陸に取り残されマーレの支配下に置かれたエルディア人の苦難と世界がエルディア人に注ぐ怨嗟、といった恨みつらみの歴史的民族関係はもう少し後に(今回ちょっと名前の出た)タイバー家が語り部講釈師よろしく丁寧に解説してくれます。
ライナー・ブラウンもまた家族・親戚の元へ(ガビもブラウン一族でライナーの従妹)。
親類縁者の前で、パラディ島の凄惨な様子を語るライナーですが、パラディ島は「まさに地獄」で、そこにいた奴らは「まさしく悪魔」だったと言いながら、内容はどう聞いても楽しい思い出話。
島で出会ったのは愛すべき馬鹿野郎どもで、かけがえのない仲間。
ライナーのメンタルがいかにズタボロに擦り切れているかが良く分かります。
収容区には今回の戦争で負傷しPTSDを発症した「もう使い物にならないかもしれない兵士たち」も。
その中のひとり、足と目を負傷している兵士に手を差し伸べるファルコ。
『大丈夫ですよ。きっと良くなりますよ。もうあなたは闘わなくていいんですから』
この横顔、どこかで見たような…。
列強は対巨人兵器の開発と航空戦の準備を着々と。近い将来必ず戦闘の主体は航空機になり、巨人は只天を仰ぐだけの存在になる。
マーレも航空機の開発が急務。しかし、その前に始祖の巨人がマーレにあることを世界に知らしめ時間を稼がなくては。
抑止力としての始祖の巨人奪還こそ焦眉の急。しかもジークに残された時間はあと1年。
パラディ島再制圧計画が発動される。
『俺はまた行くのか…あの島へ…』
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★本日12月16日はリー・ヴァン・クリーフ(1925~1989)の命日。
脂の乗った「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」や、激渋オヤジになった「ニューヨーク1997」も素敵ですが、今日は水も滴る好青年の頃を一発二発。