デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

【ドロシーがゴス母ちゃんに】ロスト・ボーイ 死霊の館【あとポスターの家、違くね?】

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車で事故って同乗の息子昏睡状態にしてしまい、罪の意識でテンパリまくった母ちゃんが環境変えようと田舎の中古家屋購入したら難あり物件で大騒ぎ。

「ロスト・ボーイ 死霊の館」(2008年/Melanie Orr監督)

切り詰め放題切り詰めたカナダ産の超低予算ホラー。

冒頭の事故シーンとか掴みの部分なので普通なら無駄に景気のいいクラッシュ映像を入れるところですが、完全事後で母親が車から這い出るところから。

出てきた濃いぃ顔のお母ちゃん(フェアルーザ・バーク)、見おぼえあるなぁと思ったら、「ザ・クラフト」(1996)のゴス姉ちゃんか。

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ほぼ同じ顔ですね。


経歴見ましたら1985年の「オズ」でドロシー演ってるんですね。あの顔立ちでドロシー? ゴスなの?と訝りましたが…

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あ、子供の時はそれなりに可愛かったのか。


この心病んだお母ちゃんのケアしつつ、引っ越しの巻き添え喰らった精神科医の旦那がグレッグ・ブリック。「ソウ5」とかに出ていたようですが、全く記憶にありません。

まぁ過去作の色がつかないというのは役者にとってプラスに働くことがないとは言えないと言えなくもないので、「仁義なき戦い」のような使い回し前提のシリーズもの作る時は重宝されるでしょう。

隣人のお婆さん(ジョーン・グレッグソン)は1973年の「深海征服」に…ってどうでもいいですね。

お話に戻りますが、引っ越して来たらお母ちゃんの周りで不思議現象頻発。

隣人の老夫婦によると、かつてこの家にいた子供が失踪、出入りの家庭教師が地下で首つり自殺をしたそうで。

子供の死体は発見されず、家庭教師が犯人だろうという事で一件落着したのですが、以後、この家には殺された少年の霊がうろつくようになり、誰が買っても長居せずに出て行ってしまうんだとか。

サブタイに「悪霊の館」とかついているので、てっきり「悪魔の棲む家」系オカルト・ホラーなのかと思いましたが、ごく普通のサスペンスでした。心霊は味付け程度。

唯一の心霊要素が殺された少年ダニエルくんですが、このメイクはないだろ。死んだら白塗りってイメージが貧困すぎないか。

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もうひとつ気になったのが舞台になる家。

本作、ポスターが2種類あって、いずれも背景に舞台と思しき家が映っているのですが、どう見ても違う家。

更にそのどちらも劇中に映る家と違います。

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上2枚が実際の家(何故か頑なに正面ファサードしか映さない)。下2枚がポスターの家。

オチやらシメやらは美しくまとまっていて割と爽やかな印象で見終える事ができるのですが、途中経過がいい加減なので謎解きの唐突感が否めません。

主人公視点で犯人に迫るだけではなく、犯人の視点から主人公に迫る描写(名前で疑問を持ち、過去を調べて事件との関わりを知る、とか)があれば、クライマックスがもうちっと盛り上がったと思うのですが…。

93分と丁度2時間サスペンス本編と同じくらいの尺なので、そのつもりで観ればそれなりに楽しめると思います。


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