『中国政府は隠していますが、大変な事態です。
すでに酷い状況でしたが、より悪い事態を覚悟すべきでしょう。
もっともっと悪い事態を…』
これまで幾度となくシミュレートされれてきた感染爆発。
今は偶然その一部が現実となっただけ。
「バード・インフェルノ 死鳥菌」
(2006年/リチャード・ピアース監督)
まるで「ハゲタカゾンビ 感染注射」の姉妹編みたいな邦題ですが、ホラーではありません。いたって真面目な作りの感染ものです。
中国・広東省で鳥インフルエンザ(H5N1型)が。
120万羽の鳥を処分したものの、中国政府の封じ込め作戦は見事に失敗。手から手へ、口から口へ、カップがおしぼりが紙幣が媒介となって瞬く間に細菌は世界へ(恐るべし接触感染)。
アメリカで第1号感染者を出したバージニア州リッチモンドはロックダウンを決行。
金網で封鎖された町。3日分の水と食料が各家庭に配布され…。
増え続ける感染者。病院にはベッドも薬も…。
巨大な野戦病院と化したニューヨークの地下鉄構内。
そして最後には、夢の島を思わせる山中の処理場へ。墓も埋葬も過去の憧憬。
フランスがワクチンの開発に成功したものの、全フランス人にワクチンが投与されるまでワクチンを国有化。まさかのフランス悪役設定(全世界からの経済制裁にビビって白紙撤回)。
僅かな希望の光が差し込んだところでウイルスが再び突然変異。
急遽アンゴラに飛んだ伝染病の権威・バーナック博士(ジョエリー・リチャードソン☜申し遅れましたが主役のひとりです)らが目撃したものは…。
ニュージーランドとアメリカ合作によるTVM。予算を思えば大健闘。
2020年のリアルとして私たちは日常レベルでの対処法を学んでしまったので、素人ながら「いや、それはないだろ」と思うシーンも多々あります(隔離部屋で感染者と接触直後に防護服半脱ぎ状態で外に出て、手袋したまま涙拭くとか、発症した家族をリビングで介抱とか)。
加えて展開が地味というハンデがありましたが、中国の人間キャンプファイヤーとか、視界一杯に絶望が広がる地下鉄野戦病院とか、死体並べて夢の島とか、アンゴラでガイアナな光景とかが心に刺さったのでビジュアル重視で及第点です。
★もう少し力の入った感染ものを観たい方はこちらを。
★全然関係ないですが鳥繋がりで(笑)
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★本日のTV放送①【14:00~BS朝日】
※放送は「魔宮の伝説」の方です、念の為。
★本日のTV放送②【21:17~BSプレミアム/年越し映画マラソン】
★本日のTV放送③【28:00~テレビ東京/新春ロードショー】
※実質主演のジョン・ヴォイト先生は、一昨日12月29日が御年82歳の誕生日(おめでとうございます!)。
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さて、本年はこれにて店じまいです。国が世界がエラいこっちゃになっている中でお付き合い頂きありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。
(という訳で、1月1日0時00分にお会いいたしましょう)