デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

追悼:ドナルド・サザーランド。 M★A★S★H マッシュ

ドナルド・サザーランドがお亡くなりになりました。

6月20日フロリダ州マイアミにて。88歳。

長期に渡る闘病生活の末にとのこと。

追悼の1本としてこちらを。

「M★A★S★H マッシュ」(1970年/ロバート・アルトマン監督)

MASHはMobile Army Surgical Hospitalの略。陸軍移動外科病院(個人的には移動野戦病院と言われた方がグッときますが)。

朝鮮戦争を舞台にしたブラック・コメディです。

サザーランドの役どころはホークアイ切れ者)とあだ名される軍医大尉。

トラッパー(女たらし)マッキンタイア大尉(エリオット・グールド)、デュード(侯爵)フォレスト大尉(トム・スケリット)とトリオを組んでやりたい放題し放題。

やたらアクの強いエリオット・グールドに喰われている感無きにしも非ずですが、あの真面目冷徹な顔立ちで馬鹿やっているサザーランドの方がクールでかっちょ良かったです。

★サザーラントちょっといい話。

劇中、ホークアイが従軍カメラマン(報道官)の女性にカメラを向けられ「お母さんに一言」と言われるシーンがあります。

『母はもう死んでてね。親父じゃ駄目かい?』

と言った後、カメラに向かって“Hi, Dad”


劇場で本作を鑑賞していたサザーランド父はこの場面で立ち上がってスクリーンに向かい、

"Hi, Donny!"

と応えたそうです。

★アルトマンちょっと複雑な話。

OPと中盤を彩る主題歌「Suicide Is Painless」(私何故かずーっとこの曲の邦題は「自殺は怖くない」だと思っていました。正式邦題は「もしも、あの世にゆけたら」)。

作詞をしたのは当時14歳のアルトマンの息子マイク・アルトマン(5分で書き上げやがったらしいが、流石にそれは嘘だろ)。


監督は本作の演出で7万5千$を受け取りましたが、息子は(毎年支払われ続ける)この曲の著作権料で200万$以上稼いだそうです。

おまけ


日本で芸者遊びに興じるホークアイ


サザーランドは大物の割りに「来る仕事拒まず」なイメージがあって、「え!?こんなのにも出てくれるの!?」なお方でした。

曼荼羅畑で取り上げたサザーランド関連作をどどんと並べておきます。


謹んで哀悼を。

 

 

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