ある朝目覚めたら窓の外がえらいこっちゃになっていたという「いつもの風景」。
毎度お馴染み「低予算籠城系」ゾンビものです。
類似品が山のようにある中、敢えて作る意味があったのか?と言われると「う~ん…ないかな」なのですが、それなりに観られる作りにはなっておりました。
「クレイジーズ 42日後」(2020年/ジョニー・マーティン監督)
身も蓋もない邦題だ(泣)。
レイジウイルス系(つまり正確にはゾンビではない…が非感染者の肉は好んで喰う…ので以下ゾンビで統一)で災厄発生から42日後をひとつの起点としているのであながち嘘ではありませんが。
例によって理由とか原因とかの説明は一切なし。非常事態宣言下、主人公(男)は独りアパート籠城生活を送りますが、水道止まって電気止まって食料もPCのバッテリーも尽きて42日目にギブアップ。
「無理でーす」と首括ろうとした瞬間、向かいの棟に美女発見。
やめやめ自殺やめ。生きるぞー。届きそうで届かない近距離恋愛開始。
無理くり本作の特徴を並べると
- ゾンビがボルダリングしてくる。
- ゾンビがジャンピングアタックしてくる。
- ドナルド・サザーランドが出ている。
以上(笑)。
全力疾走と言う横移動に「登る・飛ぶ」といった縦移動が加わったのが新機軸と言えない事もなくはない…かな。
高い所にいるからと安心していたら「パルクールかよ!?」な勢いでゾンビがひょいひょい壁を登ってきます。
高層階からこっちを見下ろしていたと思ったらやにわにジャンプ。一気に距離を詰めてくる捨て身殺法。侮れません。
本作は同じ年のK国映画「♯生きている」の焼き直し(脚本はどちらもマット・ネイラー)のようですが、そっちは未見。ただ、離れた相手と何とかコミュニケーションを取ろうと悪戦苦闘する様子は「彼とわたしの漂流日記」を思わせます。
設定や展開は2010年の「ベルリン・オブ・ザ・デッド」の縮小再生産で、アクロバットゾンビ以外は褒めどころが見つからないのですが、仕事を選ばないドナルド・サザーランドに免じてギリ及第点って事にしておきます(☜上から目線だ!)。
景気の良いジャケット詐欺(右がオリジナルポスター。確かにこれだと地味過ぎて内容がびた一文伝わって来ませんね…)。
★ご参考
★ジョニー・マーティン監督、こんなのも撮っています。
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★本日6月15日はジム(ジェームズ)・ベルーシ(1954~)の誕生日(おめでとうございます!)
飄々とした気のいい奴(代表例「サルバトル」)な印象が強い人ですが、今回はデビュー作と怪しい山師を演じたこちらを。
★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】