凄~く真面目に作っているのに、ツッコミどころが間欠泉のように次から次。
お話は簡単。インドがゾンビで大騒ぎ。
「ザ・デッド:インディア」
(2013年/ハワード・J・フォード&ジョン・フォード監督)
原題は「THE DEAD2:INDIA」。
「2」ってことは「1」があるのか? 勿論あります。「1」は「ゾンビ大陸 アフリカン」(以下「アフリカン」)。
アフリカで起こったゾンビ・パンデミックがインドに飛び火。
風力発電の電気技師(アメリカ人)が、500km離れたムンバイにいる恋人(インド人)目指してサバイバルロードをひた走る…ってのがざっくりとしたストーリー。
「アフリカン」は視界360度の大草原で「気が付けばゾンビ」という広大感を逆手にとった設定とビジュアルが秀逸でした。
この絵面(えづら)1枚で勝ったも同然。
本作はこの絵面が弱い。これぞインド、なビジュアルがないのは致命傷。
これはポスターやジャケにも言えることで新規性がまるでありません。「手」のモチーフはゾンビものとしては文字通り手垢まみれ。
もうどれがどれやら(笑)。
途中の展開ももどかしさ満開。
ロメロ系スローゾンビなのはいいのですが、主人公を襲う時だけウルトラスロー。いやいや、その状態で噛まれないのは変だろう。
主人公君,馴染みのガソリンスタンドで銃(リボルバー)と弾薬ひと箱を手に入れるのですが、完全にビビリ状態で至近距離でもうまく当たらず、額に銃口押し当てて目を逸らしてようやく仕留める情けなさ。
この後、更にウルトラハイパースローになったゾンビをすり抜けてモーターパラグライダーで脱出(これはなかなかに新機軸)。
が、途中で樹に引っ掛かって宙ぶらりん。
この時、リボルバーを落としてしまうのですが、ゾンビの群れに襲われた途端、何故かオートマチック乱れ撃ち。
待て待て待て、その銃どこから出した? イリュージョンか?
どうやら集まってきたゾンビの一人がソルジャーだったようで、そいつの腰に刺さっていた銃を咄嗟に抜いて使ったようなのですが、暗い中、チャカチャカ刻んだ編集をしているものだから画面明るくしてコマ送りにでもしないと状況ひとつ掴めません。
右手で抜いて撃ったはずなのに次のカットでは何故か左手に持っているし。
で、銃が変われば人も変わるのか、ここからは相手が女子供でも躊躇なく発砲してヘッドショットが百発百中(嘘ぉ…)。
おいおい、(相手が知人とは言え)最初のビビリは何だったんだよ。もう慣れたのか? それとも狩りの歓びに目覚めたのか?
あと、そのオートマチック何発撃てるんだ? 前の周でタイムアタック成功させて無限サムライエッジとか手に入れたのか?
何気にガソリンスタンドでガメた弾をマガジンに突っ込んでいましたが、それリボルバー用だろ。共用できるんだっけ?
カルマがどーしたこーしたって話はインドっぽくはありましたが、ピンと来ないしどーでもいいし(罰当たりな事言ってすみません)。
「迫り来る、12億の恐怖」というキャッチはなかなかですが、絵が付いてきておりません。
「アフリカン」に匹敵する構図がひとつでもあれば、引き分けくらいには持ち込めたでしょうに。
もちっとインドっぽい景観出して、主人公男女の人種か性別どっちか(もしくは両方)ひっくり返して、終盤の展開とオチをどうにかしたらかなりいい感じになったんじゃないかと思います(ほとんど作り直しだな…)。
★前作はこちらから。
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★本日のTV放送【13:35~テレビ東京/午後のロードショー】
★本日1月29日は貞本義行氏(1962~)の誕生日(おめでとうございます!)
敢えてこの日に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q TV版」を放送するとは日本テレビも気が利いてんだか嫌味なんだか(笑)。
折角なので原作最終巻で迎撃を。