本日4月5日はロジャー・コーマン先生(1926~)の誕生日(おめでとうございます!)。
言わずと知れた低予算の王者、B級の帝王。
監督作だけで50本を超え、製作やら脚本やらは400本以上で恐ろしい事に現在進行形で増え続けております。
利用できるものは何でも使う。金も時間も才能(主に自分以外の)も無駄なく使い切るエコな人。
彼にコキ使われて成長していった監督は数知れず。
今回久々にコーマンブラザーズ制作の低予算ものを鑑賞しました。
酷い中にも哀愁が漂う味わい深い一遍でした。
「吸血怪獣ヒルゴンの猛襲」(1959年/ロジャー・コーマン製作総指揮、ジーン・コーマン製作、バーナード・L・コワルスキー監督)
タイトル通り(原題も「ATTACK OF THE GIANT LEECHES」)のモンスターパニックもの。
62分というタイトな尺の割には人間関係がきちんと描かれていて脚本はまあまあ。
ただ、本来主役であるべきヒルゴン先生が…。
動きがもう人間と同じ骨格を持っているとしか…(着ぐるみですから当たり前と言えば当たり前ですが)。
犠牲者抱きかかえて運ぶところとか「いや、大アマゾンの半魚人じゃないんだから…」
ちょっと「ノンマルトの使者」のガイロスに似ていなくもない。
なかなか怪物の存在を信じてもらえない目撃者とか、浮気性な人妻とか、生態系を破壊するからと頑なにダイナマイトの使用を渋る狩猟監視員とか、不明者の死体発見の賞金目当てで沼に入って喰われる地元民とかキャラの割り振りも多彩(モンスターパニックの基本フォーマットは押さえている)。
水中撮影とか気合入っていますし、沼から次々浮かび上がってくる死体とかいい感じに不気味。
これでヒルゴンの造形さえもちっとマシだったらかなりな拾い物だったと思うのですが。
でも「だからこそロジャー・コーマン!」とも言えるわけで。
あと何本作れるか分かりませんが、「ああ、コーマンだねぇ」と思える作品を生み出してほしいものです。
★という訳で、厳選!曼荼羅畑コーマン劇場!