『助かると思いますか?』
(Do you expect him to make it out?)
『1,400万ドルの懸賞金が掛けられて、この街の利害関係者全員に狙われているんだぞ。(生き残る確率は)五分五分だ』
(Fourteen million dollar bounty on his head, and every interested party in this city wants a piece of it. I say the odds are about even.)
五分なんかい!?(笑) 普通にオッズつけたら500万対1くらいだと思うぞ…。
「ジョン・ウィック:パラベラム」
(2019年/チャド・スタエルスキ監督)
裏社会のルールを破って(殿中で刃傷、みたいな?)、組織を追われお尋ね者となったジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)。
次々と襲い来る追手・討手・刺客・殺し屋を投げて締めて蹴って折って斬って刺して撃ち抜いて…。
ただそれだけの(本当にそれだけの)131分。なんと潔い。
今回は肉弾比率高め。いやぁ、久しぶりに見ました。キアヌのモーションが大きく遅い格闘アクション。
ドニー・イエン先生なら間違いなく10コマ/秒くらいで撮影したと思います。
ただ、ほとんどのアクション(カーアクション含む)を無駄に割らずに1カットに収めているのは立派。
そうですよ、ちょっとくらい動きが悪くたって、アクションは寄らず割らず継ぎはがず。
で、本シリーズの売りである銃撃戦。
いやぁ出るわ出るわ、銃器のデパート、見本市。
1丁目がレミントン1875で複数バラして組み直し、カスタムを作るという「続・夕陽のガンマン/地獄の決斗」のイーライ・ウォラックを完コピした時点で合格・満点。
そしてタイトルにもなっている9mmパラベラム弾。代表は勿論グロック。
もうグロックだけで「17」「19」「同TTIコンバットマスター」「19X」「34」「同TTIコンバットマスター」。お腹一杯ごちそうさま。
終盤、キアヌに使い倒されるのがTTI STI 2011 Combat Master。
聞けば、この銃、カリフォルニア合法の2011のフレームを持つハンドガンを入手し、TTI(タラン・タクティカル・イノベーションズ)に持ち込んでフルカスタマイズしてもらう必要があるんだとか。
なかなかにお高くつく銃のようでマニア垂涎。
こいつでも貫通不能な防弾装備のパーティに対抗して持ち出してくるのが、Benelli M2 Super 90 (TTI M2 Ultimate 3 Gun Package)
イタリアのベネリ社が開発したセミオートマチック式散弾銃。
モブは蜂の巣血糊血しぶき散水車。
で、ボスキャラになるのが、謎のハゲすし職人(決め台詞はちゃんと日本語で言う)。
雨の和食店は「ブレードランナー」(キアヌの指詰めシーンとかまんま「ブラックレイン」の松田優作なので、リドリー・スコットを意識しているのは間違いありません)ですが、すし屋でハゲで客が女となると「キル・ビル」ですね。
こはだ400円…って円が使えるのか。あと何故すし屋に信州味噌の看板がある?
このハゲ寿司職人(マーク・ダカスコス)の弟子に「ザ・レイド」のボスキャラ(「ドラゴンへの道」におけるチャック・ノリスみたいな立ち位置)、ヤヤン・ルヒアンがいたりしてなかなかに楽しませてくれました。
新機軸アクションとして「馬に蹴られて死んじまえ」攻撃が。
今回は全体通してとにかく「痛そう」(必ずトドメを刺す徹底ぶりは天晴れとしか言いようがありません)。
でも一番印象に残っているのは傷だらけでファンタをストロー飲みしているローレンス・フィッシュバーンだったりするので、誰が美味しい所を持って行くのか分かりません(笑)。
★9mmパラベラム弾についてはこちらを。
★その撃ち心地に関してはこちらを。
★ここまでのシリーズの流れはこちらをご参照ください。
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★ 本日のTV放送【18:54~BSテレ東/シネマクラッシュ】