ヅラを捨てた勇気ある行動が賞賛を浴びているトラボルタですが、この時はまだ迷いがあったようで…。
「リベンジ・リスト」
(2016年/チャック・ラッセル監督)
行きずりの暴力に妻を奪われた元・自動車工場工場長トラボルタ。犯人見つけたのに証言不十分で釈放(色々訳あり)。
実はトラちゃん、元特殊工作員。昔取った杵柄で悪党どもをわっしょいわっしょいしたら、裏に中途半端な陰謀が隠れていた…という手垢で塗り固めた復讐もの…なのですが、
いやもう登場した瞬間からトラボルタの生え際が気になって気になって。
時代劇のヅラじゃないんだから、もうちっと自然なメイクしてやれよ。
「ジョン・ウィック」への目配せがありますが、比べちゃ駄目。
で、トラちゃん、ヅラな上にデブっちゃってるんで(そこでセガール踏襲せんでも)、動きにキレ無し殺気無し。
じゃ頭脳プレーができるかと言うと、これまたからっきしで。
初手から敵に後頭部とられてますし、真っ先にやるべき家族の避難とか怠るから娘狙われちゃうし。
相手が例外なしに銃を突きつけた後、能書き垂れてくれるので命拾いしていますが、いきなり撃たれていたら3回くらい脳天に風穴空いていると思います。
このトラのていたらくを一人で救っているのが、かつての相棒、クリストファー・メローニ。
復讐なんかやめておけ、とか言いながらアシストする気満々。
軽口、軽愚痴、嫌味、突っ込み織り交ぜて、良い感じのバディものに仕上げています(トラひとりだったら辛気臭~いC級アクションになったと思います)。
トラの獲物はベレッタ(92F2)、悪徳刑事サム・トラメルの獲物がM1911A1。
監督は「ブロブ/宇宙からの不明物体」撮った人。
ちらっとレベッカ・デモーネイが顔出していますが、時の流れを痛感しちゃいました。
※ちなみに本作、当初はウィリアム・フリードキン監督×ニコラス・ケイジで撮入予定だったそうです。“薄い”つながりのケイジはさておき、フリードキンの演出は観たかったなあ…。