大昔、東京電力が“電気を守る男たち”として送電線保守作業員の仕事ぶりを紹介した企業CMを作った事があるのですが、そのあまりの過酷さにビビッた覚えがあります。
頭がさがると同時に『リクルート的にこのCMはアウトなのでは(応募者ダダ下がりするのでは)なかろうか』といらん心配までしてしまいました。
これは電気を守る男<ラインマン>たちのお話。
「アルティメット・サイクロン」
(2013年/デヴィッド・ハックル監督)
タイトル見たほぼ100%の人が“ディザスター・パニック”を期待すると思いますが、おまけにもなっていません。
普通に人間ドラマを演って、最後に自然災害が襲ってくるという構成は「ハリケーン」と一緒ですが、向こうはハリケーンの猛威が見せ場として機能していました。
こちらは停電と列車転覆がある程度でどこがアルティメットなのか担当者を小一時間詰問したいところです(原題は「LIFE ON THE LINE」)。
職業賛歌という意味では「バックドラフト」「炎のメモリアル」あたりと同じ箱。
パニックものでも人間ドラマでも面白ければ文句はないのですが、残念ながら…。
ラインマンの棟梁(?)がジョン・トラボルタ。その姪(ケイト・ボスワース)の恋愛話(ストーカー被害含む)が中心なのですが、はっきり言って超どーでもいい(ストーカーに対する姪の反応も釈然としない)。
クライマックスに繋げるためのご都合主義的展開が目立ちます。
災害時のラインマン大活躍は実話のようですが、もうちっとラインマンそのものにスポットを当ててほしかったなあ…。
姪の恋人の母親(酒びたり)にシャロン・ストーン。歳をとって凄みを増したと言うか、流石の佇まいです(残念ながらトラボルタとは絡まない)。