『これまでのザコと一緒にするな。私は40の軍団の長だ。“第2の獣”になり、お前を終わらせる』
第2の獣…地中より現われ、子羊に似た二本の角を持ち、竜のように話す偽預言者の化身(ヨハネの黙示録に登場する獣)。
なかなかに大物じゃないですか。
「ドント・ヘルプ」
(2017年/ギジェルモ・アモエド監督)
楽勝仕事だと思って忍び込んだら、とんでもねー事態が待っていた系で始まる不幸の一夜。
「ドント・ブリーズ」(2016)がヒットしたので、以降「ドント・××」な邦題がやたら増えましたが、これもそのひとつ。
安直極まりないタイトルですが、原題の「EL HABITANTE(英題THE INHABITANT)」では全く以て訳が分からない(長期間ある場所に住む人とか動物、みたいな意味合い)ので、これはこれで良いと思います。
スペイン語で喋っているのでスペイン映画に見えますがメキシコ映画。
事情は分かりませんが、ヤバイ筋から借金か借りを作ってしまったカミラ。バックレたら間違いなくあの世行きなので、妹2人に手伝わせて議員邸宅に侵入。
出入りの庭師から得た情報で金庫開けるも中はカラ。
これはマズい。金さえ手に入れば即撤収でしたが、最早手段を選んでいる余裕無し。
議員夫婦叩き起こして現金徴収…が聞いていた額より10万少ない。これでは奴らが納得しない。ぐぬぬどうしてくれようか、と思案している時に物音。
夫婦の他にも誰かいるのか。
『地下はダメよ』と言われて、はいそうですか、とはいかぬもの。
南京錠ぶち壊して地下室に入ってみれば、ベッドに拘束された少女が。
虐待? 親から虐待受けまくった姉妹(最終的に長女カミラは父親ぶち転がして8年お勤め)は他人事と思えず保護しようとしますが…。
勿論、娘タマラは虐待を受けていたわけではなく、ちょっと悪魔に憑りつかれていただけなのでした。
翌朝にはバチカンから高名なエクソシストが到着する予定になっていたので、議員夫婦にとってはとんだ邪魔が入った事になります。
悪魔さんにしてみれば、いい余興。
何せ姉妹は全員トラウマと秘密の闇鍋なので、心の隙間突き放題。入れ喰いです。
精神抉って疑心誘って不信植え付け自滅追い込み満足満足。
そして到着したエクソシスト神父。
バチカンでは禁じ手となっている昔ながらの手法で悪魔祓いに挑みますが…。
よく思うのですが、悪魔さんって基本、ヨーロッパ圏の言語であれば、どこの言葉であっも「うおーぐえー」なリアクション取ってくれるお約束なんでしょうか。
日本語で『キリストの名において』とか言っても効きませんよね、多分。
やはり日本なら『ノーマクサンマンダー』とか『オン コロコロ センダリマトウギソワカ』とか『オン キリキリ バザラウンハッタ』とかですよねえ。
まあ悪魔に向かって唱えても『はぁ!?何言ってんのか分かんねーよ』と突っ込まれそうですが…。
ギジェルモ・アモエド監督って「アフターショック」とか「グリーン・インフェルノ」の脚本書いているイーライ・ロス派閥の人ですね。何と言うか、最後にケツ捲る無慈悲系って感じ。
★ご参考:ちょっとテイストが似ている…かな。
★一応本家筋も。
★監督の脚本作は
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