プロの殺し屋フランク・キッチン。いつも通りの完璧仕事をこなしましたが、殺った相手の身内がヤバかった。
…と書くと、実は親父が大物マフィアで100人の追手が…になりそうですが違います。
殺った相手の姉貴が凄腕マッドサイエンティスト。専門は美容整形。しかもシガニー・ウィーヴァー!(←ココが一番嫌)
シガニー(Dr.レイチェル・ジェーンという役名がありますが、面倒くさいので以下シガニー)は金にモノを言わせてフランクの居場所を突き止めるとマフィア使って拉致。
安宿の一室で目を覚ましたフランクは鏡見てびっくり。
そこに映っていたのはナイスバディのお姉さん(ミシェル・ロドリゲス)。
『なんじゃこりゃあぁあ!?』
気持ちは分かるけど何だよ、この邦題。これじゃ「Mr.レディ Mr.マダム」の親戚みたいじゃん。コメディじゃないぞ。
オリジナルタイトルは「THE ASSIGNMENT」(任務)、フランスとかドイツでは「Revenger」(←アマプラ版はこっち)。
任務じゃピンと来ないし、復讐者ではありきたり過ぎ。かと言って頭に「沈黙の」とか付けるわけにもいかないので、しゃーないっちゃしゃーないですが、もちっとマトモなタイトル思いつかなかったの?
さて、本作最大の見どころは、整形前のフランク。こっちもロドリゲス姐さんが演っています。
どう見ても付け髭付けただけのロドリゲス姐さんですが。
驚いたのは首から下も特殊効果で「男」になっていた事。胸毛姿のロドリゲス姐さんはレアショットです(ボカシ入っていましたが股間にも何かぶら下がっていたっぽい)。
要所要所でイラストモーフィングが入るのはコミック化されている事が大きいと思いますが、超絶化粧直しを施された「ウォリアーズ/ディレクターズ・カット版」で味しめたんじゃないでしょうか。
ウォルター・ヒルで整形で復讐と言うと「ジョニー・ハンサム」(1989)が頭に浮かびますが、本作のドラフトが書かれたのは1978年だそうで、こっちの方がオリジナルです。
何故、シガニーの復讐が「美容整形」だったのかは謎ですが、サイコ・ドクターの価値観は常人の及ぶところではありません。
作品の出来は正直、可もなく不可もなくで「バレット」に続く残念作ではあるのですが、バレット同様、配役の妙を楽しむことは出来ます。
「エイリアン」1作目からその製作に関わっていたウォルター・ヒル。
その「エイリアン」で一躍名を馳せ、今や押しも押されぬ「トンデモSF」のアイコンとなったシガニー。
そのシガニーと組んで地球を救うために尽力した(「ギャラクシー・クエスト」の技術主任チェン役の)トニー・シャルーブ(シガニーの精神鑑定を担当する医師役)。
ロドリゲス姐さんとシガニーは「アバター」で共演していますね。
これで音楽がライ・クーダーだったら文句無しでしたが、ちょっとタンジェリン・ドリームを思わせるシンセ曲。エンドクレジット見たら「テーマ曲:ジョルジオ・モロダー」。
おお。生きていたのかMr.80s。
★ヒル作品でイラストモーフィングと言えば…
★ヒル作品で整形と言えば…
★シガニー&トニーと言えば…
★クレイジー・サイコ・美容整形女医と言えばこんな隠れた名作も…
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