第８話ご紹介の時に、沙都子のPTSDは演技ではなく「実は魔女化した沙都子に本来の沙都子が抵抗している、という葛藤の場面だったのでは？」という事を書きましたが、割とニアピンだったようで。
お社様の祟り代行業者と化して暴走を続ける沙都子に待ったをかけるホワイト沙都子。
対峙する引き裂かれた自我。生き残るのは…。
「ひぐらしのなく頃に卒／第9-10話・祟明し編 其の参｜其の四」（2021年8月19日・26日BS11放送／川口敬一郎監督）
かつて自分に対して虐待を繰り返していた叔父・鉄平を雛見沢に呼び戻し、鉄平に対しては村全体からの差別（かつて北条家はダム建設推進派だったため、村全体から差別されていた）を、クラスメイトや村民に対しては鉄平の虐待再開を信じさせた沙都子。
勿論どちらも（かつては事実でしたが今は）嘘。
もはやメインヒロインと言って良い程に善人化した鉄平は甲斐甲斐しく沙都子を守り、村は総出で沙都子を救おうと児相に掛け合い…（全部沙都子の謀略。キツ過ぎる答え合わせ）。
沙都子の誤算は、鉄平が自分を何度も逮捕している大石刑事に助けを求めた事。
これまでは言葉巧みに鉄平と村人を分断してきましたが、警察が間に入るとややこしいことに。ならば…。
今回の発症者は大石刑事にお願いするといたしましょう。
H173を打ち込まれた大石は、沙都子の意を汲んだかのように暗躍。
鉄平の仕業に見せかけて道祖神を蹴り倒し、鳥居に小便を駆け（やる事がセコいなー大石）、北条家の庭に生ごみをまき散らしてイジメ演出（いやだからやる事が…以下略）。
児相に対しては「虐待はなかった」事を証明した上で村民のイジメを示唆。
そしてやってきた綿流し。
もはや用済みとなった鉄平に銃弾叩き込もうとした時、沙都子の左手がそれを阻止。
『な…何ですの、これ』
『叔父様、逃げて！』
やはりいたのかホワイト沙都子。「死霊のはらわたⅡ」のアッシュばりな一人葛藤相撲の末に善悪に分離したダブル沙都子はカケラの上に。
『どこかで間違えた』事を悔やむホワイト沙都子に自分こそオリジナルと主張するブラック沙都子。
『わたくしは北条沙都子。同時に繰り返す者。カケラの海を自在に渡る者。そう…魔女でございますの』
沙都子の銃弾が沙都子を砕く。それは感情からの解放。
現実に戻った沙都子は鉄平を射殺（なんですとお!?）。
更に鉄バットで丁寧に餅つき。
「業」の沙都子シャワーシーンは「虐待はなかった」事の暗示であると同時に全身に浴びた鉄平の返り血を洗い流すためだったのか。
いやいやいや、ちょっと待て。
ここで鉄平死んでいるのなら、「祟騙し編／其の伍」で圭一を襲った（そして圭一に殺された）鉄平は誰だ？
「ひぐらしのなく頃に業／第13話・祟騙し編 其の伍」より。
「業」の時とは違うカケラにいるのか。カケラの上でホワイト沙都子を撃ち消した事が世界に影響を与えてしまったのか。
ここから大石による境内惨劇祭りにはどう繋がるのか。
良心回路破壊して真の魔女となった沙都子の暴走絵巻の行く末は…。
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クライマックス1点に向かってドラマが収束していくこの作品を。
★そして本日のTV放送【19:00～BS日テレ】は…
クライマックスって何？な見せ場のフリーマーケット。
