ランボーが北極圏の森の中で特殊部隊を率いて、血に飢えたミュータントを狩るというトンデモ展開バージョン(原作はジェームズ・バイロン・ハギンズの小説「ハンター」でタイトルは「Rambo 5: Savage Hunt」)まであったランボー最終章。
★この噂が出回った時の記事がこちら。
二転三転した脚本は「メキシコの人身売買組織に身内を奪われたランボーがブチ切れ殺戮カーニバルをかます」という時間をかけた割りにはどーでもいい内容に落ち着きました。
ランボーを冠する必然性をビタ一文感じませんが、見どころはあります。多分(弱気)。
「ランボー ラスト・ブラッド」
(2019年/エンドリアン・グランバーグ監督)
予告編を見た時に「見せ場全部出しちゃったんでね?」と思いましたが、大体その通りでした(しかも公開直前まで編集作業をしていたので、予告にしか存在しないシーンが多々ある)。
※以下ネタバレあります。これからアマプラで観る人はご用心。
実の娘同然に育てて来たガブリエル(イヴェット・モンレアル)がメキシコで友人に裏切られ人身売買組織の手に。顔刻まれて輪姦&売春強要された挙句シャブ漬けという驚愕の鬱展開。
ランボーが颯爽と乗り込んで来て、おお「96時間」の親父無双パターンか、と思ったら多勢に無勢でボッコボコ。なんじゃそりゃそりゃ。
まあ主人公が1回やられて復讐戦ってのはお決まりのパターンですが、スタローンがやると無駄に悲壮感が濃縮されて爽快感が彼岸の彼方。
ここはリーアム・ニーソンやセガールを見習って無双して欲しかったなぁ(そうすると自宅敷地に誘い込むクライマックスに持ち込めなくなりますが)。
一旦自宅(アリゾナ)に戻ったランボーは父譲りの牧場の周辺、趣味で掘っていた地下トンネルに思いつく限りのブービー・トラップを仕掛けて再びメキシコへ。
景気よく死体の山を築くとヒット&アウェイで撤収。餌に釣られて追って来たお仲間一同を罠祭りでお出迎え。
目的が「助ける」とか「守る」じゃなくて純度100%の復讐戦なので、情け無用・憐憫拒絶・躊躇皆無の殺戮絵巻。
罠に掛かった相手にもヘッドショットを忘れない万全のアフターフォロー。
明らかに死んでいるのに駄目押し蜂の巣乱れ撃ち。
スピーカーでロックを大音量で流して攪乱し、ベトナムで味わったゲリラ戦のフルコース。
おっとこれって「ドッグ・ソルジャー」リスペクト?
ニック・ノルティの選曲はCCRでしたが、スライのお気に入りはドアーズの「ファイブ・トゥ・ワン」。
実はオリジナル脚本ではストーンズの「ギミー・シェルター」やサバスの「ウォー・ピッグス」を聴いているシーンもあったんだとか。
完全に好みの問題ですが、「ウォー・ピッグス」バージョンのクライマックスも観てみたかったです。
ガブリエルの叔母役で出ていたアドリアナ・バラーサ。今回は気を揉んでいるだけでしたが、暴れ足りなかったようで、2年後の「悪魔のビンゴカード」ではこの世の物ではない存在に喧嘩売って大暴れしていました(笑)。
★これね👇
にしてもこれが「ランボー」の幕切れと思うとちと寂しいですね。
★派手派手に暴れ回った前作はこちら。
※ここでやめておけば良かったのに…。
★ご参考
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★本日のTV放送【13:40~テレビ東京/午後のロードショー】