デストピア経典~曼荼羅畑でつかまえて(三代目)

B級カルトな特殊映画、ホラーにアニメに格闘技、酒にメタルにフィギュアに銃。日頃世間ではあまり顧みられる事のないあれやこれやを過剰なる偏愛を以てご紹介いたします。

Dr. ルーミス、戦士の休息。 ハロウィン6/最後の戦い

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前作の“投げっぱなしエンディング”を引き継いだ“後日、なかった事にされてしまう”不幸な三部作完結編。

果たしてお話はまとまったのでしょうか。

「ハロウィン6/最後の戦い」(1995年/ジョー・チャッペル監督)

警察署からマイケルが消え、ジェイミーが失踪して6年。

何と二人は謎の組織(オカルト系邪教団?)に拉致・監禁されておりました(6年も?!)。

更にジェイミーが妊娠(ってまだ15歳くらいだろ。父親誰だよ?)!

一部の解説には「邪教団の行った“イバラの呪い”でマイケル復活」とか書いてありますが、そんな儀式いつやった? 生まれた赤ん坊の腹にソーン(棘)の紋章掘り込んだアレがそうか?

いや、そもそも、前作ラストでマイケルは逮捕されただけで、死んでも昏睡してもいないだろ? 復活させる必要ないじゃん。別の呪いで眠らせていたのか?

というこちらの大混乱をものともせず、ジェイミーが赤ん坊抱えて脱走、マイケルが追撃を開始して本編スタート。

今回の犠牲者はマイケルの生家に越してきたローリーの義理父の弟一家(遠いよ!)。マイケルとの血縁はビタ一文ないのに酷い目にあう不幸な人たちです。

ここに一作目でローリーがベビーシッターしていた子供トミー(勿論成人)とお馴染みドクター・ルーミス(ドナルド・プレザンス)が合流して面子としては結構豪華。

ただ、邪教団の存在が薄い上に背景が全く説明されないので、ドラマ部分はなんじゃらほい(ここにきてオカルトに走るとは・・混迷の極みだな)。

で、このスキだらけの脚本を補うのがいつにも増して残虐な暴れマイケル殺戮絵巻。

スプラッター・エンターテイメントとしては一級品の出来栄えです。

シリーズを支えたドナルド・プレザンスは本作終了後急逝。闘病中の出演だったようで、やつれた中に精悍さを宿した顔立ちは生死を達観した殉教者のようです。

毎回思う事ですが、カーペンターのテーマ曲は本当に素晴らしい。あのイントロが流れてきた瞬間、一気に映像に箔が付いて「俺は今、面白い映画を観ているんだ!」という自己暗示にかかります。

黒歴史として闇に葬るには惜しい三部作です。是非、DVD化してください(版権バラバラだと思いますが・・)。