砂漠に囲まれたアリゾナの田舎町。
クズどもに殺された男が地獄の底からお礼参りの里帰り。
80年代を煮〆たちょこっとカルトなアクション映画。
「処刑ライダー」
(1986年/マイク・マーヴィン監督)
今見ると二世系の人が多数出ているお宝作品。
まずはマーティン・シーンご子息のチャーリー・シーン、ジョン・カサヴェテス&ジーナ・ローランズご子息のニック・カサヴェテス、ライアン・オニールご子息にしてテイタム・オニール弟のグリフィン・オニール、更にロン・ハワード弟のクリント・ハワード、そして、デニス・クエイド兄のランディ・クエイド。
左からチャーリー、ランディ、グリフィン、ニック。
レースのスターター役はクリント・ハワード。ヘアスタイルは「イレイザーヘッド」リスペクト。
なかなかに錚々じゃありませんか。
ジェイミー(クリストファー・ブラッドリー)はパッカード(ニック・カサヴェテス)率いる暴走族グループにささらもさらにされてあの世行き。
その後、街にジェイクという旅人(チャーリー・シーン)が現れ、同時にパッカードらの前に漆黒のマシン「ターボ・インターセプター」に乗った謎のドライバーが。
ちょっと前にご紹介した「バトル・ライダー」のドルフ・ラングレン登場シーンって「処刑ライダー」リスペクトだったのか(左が「処刑ライダー」、右が「バトル・ライダー」)。
WRAITH(レイス。亡霊)と呼ばれたこのドライバーはパッカードの仲間を次々公道レースに誘い込んでは抹殺して行き…まぁ後の「スポーン」「クロウ」に連なる復讐するダークヒーローものです。
と、ここで疑問。殺されたのジェイミー(クリストファー・ブラッドリー)だろ? 何でジェイク(チャーリー・シーン)が復讐に来るんだ?
ジェイクの背中にはジェイミーが受けたものと同じナイフ傷があるので、どう考えてもジェイミー=ジェイクです。またクリストファー・ブラッドリーが中途半端にチャーリー・シーンに似ている(ブルース・リー映画に出てくるそっくりさんみたいな)ものだから、更に混乱。
当然、謎のドライバー、レイスもチャーリー・シーンその人のはずですが、最初から最後まで黒づくめフルフェイスヘルメット姿で素顔は最後まで分からず。
摩訶不思議な三人一役。
その秘密はチャーリー・シーンのスケジュールにありました。
1986年のチャーリー・シーンと言えば「プラトーン」。
何と本作、チャーリーが「プラトーン」の撮影でフィリピンに向かう途中、僅か1日の拘束時間で撮影を強行したそうです。
そら細かいシーンなんか撮ってる暇ないですよねー…ってかロジャー・コーマン以外にもいるんですね、こういう無茶な事する人。
さて、本作の見どころは如何にも80年代なBGMとやたらド派手なカーアクション。
ちょっと霊的な力が加わるので、普通ならしないよね的な爆発が景気よく繰り出されます。
積車トレーラーを巻き込んだカークラッシュとか、ちょっと「ハイ・ローリング」を思わせていい感じ。
因みにオリバー・ストーンは本作を劇場で観て、チャーリー・シーンに激怒電話を掛けて来たそうです。内容は本人のみぞ知る、ですが要するに『俺の社会派超大作の評価を落とすようなしょっぺー映画に出やがってこの野郎!』という事だったようです(笑)。
★ご参考
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★本日12月11日はジャン=ルイ・トランティニャン(1930~)の91回目の誕生日(おめでとうございます!)
昨年は骨太ゴリゴリな「Z」をご紹介しましたので、今年はロマンとリリシズム溢るるこちらを。
★本日のTV放送❶【19:00~BS日テレ】
※今年9月5日にBS日テレ、昨年3月8日にBS朝日と何気にヘヴィロテ。
「宇宙戦争」と並んで今日もトム様大活躍。
★本日のTV放送❷【21:00~BS-TBS】
※これも9月26日にテレビ朝日が放送したばっかだよなぁ…。