『早くそこから逃げろ!足を切り落とされるぞ!』
トンネル1本で外界と繋がる山奥の鄙(ひな)びた温泉村。
お客様は村人総出でお出迎え。
鎌を持って。斧を持って。
「エクスクロス 魔境伝説」
(2007年/深作健太監督)
しおり(松下奈緒)は恋人に裏切られたショックを癒すため温泉巡り。
今回、友人愛子(鈴木亜美)の案内で向かった先は絶景の秘湯、阿鹿里(あしかり)村。
そこは今尚猟奇な風習(若い女は逃げないように左足を切り落とされ、座敷牢で生き神様として死ぬまで幽閉される)の残るヤバイ村でした。
案山子…じゃないよ。生き神様の成れの果て。
夜。一斉に灯りの落ちた村を松明掲げ足を引きずり(村人は全員、子供の時に村から逃げ出さないよう片足の腱を切られている)続々と集結する村人たち。
犬鳴村×牧村家襲撃です。
牧村美樹は首チョンパでしたが、このまま捕まれば確実に足チョンパ。
宿の押し入れに落ちていた携帯を通じ、物部と名乗る謎の人物から村の秘密を知らされ、逃亡アドバイスを受けたしおりは単身阿鹿里村からの脱出を図ります。
一方、全部こいつが仕組んだんじゃないかと疑わせる振る舞いの愛子の前には狂った不死身のハサミおんな、西園寺レイカが。
前半の秘境サバイバルホラーが、この斬っても刺しても燃やしても死なないレイカの登場で一気にはっちゃけ混沌バトルホラーに。
レイカさん、ハサミデカすぎです(キレた愛子もチェンソーで反撃)。
ホラーなのかアクションなのかコメディなのか(答えは「ミステリー」です)。
誰が敵で誰が味方なのか全く分からない状況で点景を写しては巻き戻って視点変え答え合わせをしていく編集は観る人の興味をグイグイ引っ張って行きます。
何だ健太ってこういう撮り方が出来る人だったんだ。
描写として辻褄の合わない箇所はたくさんありますし、村人が全員精神異常者(もしくは極度の発達障害)みたいな演出はどうかと思いますが(普通にしているから怖いんじゃん)、「犬鳴村」の100倍は面白かったと思います。
こちら海外版のジャケット。
完全に主役レイカ様です(笑)。
★ご参考~ホラーの定義すら分からなくなった迷走監督の村もの2連発。
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★本日のTV放送【18:15~BS日テレ】
何と本日から3日間連続でシリーズ一挙放送!
記念して大魔神絡みの記事をまとめてどうぞ!